セメント瓦の寿命は?瓦の葺き替え時期と費用を知りたい!


家の屋根は古いセメント瓦。色も剥げて劣化してるように見えるけど、瓦の交換時期はいつ?
今回はこんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- セメント瓦の寿命
- セメント瓦の葺き替え時期と費用
- セメント瓦の葺き替え方法
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セメント瓦の寿命は約30~40年です。これまでの定期的なメンテナンスによって耐久年数が変わります。
この記事を読めば、瓦の葺き替え(交換)時期の目安が分かり、ご自宅の屋根が今どんな状態か把握できます。
セメント瓦の葺き替え時期と費用を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
セメント瓦とは


セメント瓦はセメントと川砂を混ぜて作られたものです。
昭和30年〜平成10年頃まで、主に四国地方や九州地方を中心に使われていました。当時は陶器瓦が高価な瓦だったため、セメント瓦が使われた背景があります。
現在は陶器瓦の価格が下がり、新築の瓦屋根のほとんどが陶器瓦となりました。セメント瓦の見た目は陶器瓦とそっくりですが、材料がまったく異なり、耐久性や寿命に大きな差があります。
セメント瓦の葺き替え時期を知りたい
セメント瓦の葺き替え時期は30年〜40年以上ですが、葺き替えを見極めるポイントがあります。以下の3つです。
- 瓦の割れやヒビが多い
- 瓦の表面がザラザラした感じで劣化している
- 複数箇所から雨漏りしている
瓦の割れやヒビが多い


瓦の割れやヒビが多い場合は劣化が進んでいて、部分的に修理をしても、他の瓦も同じように割れて雨漏りする可能性があります。
瓦の表面がザラザラした感じで劣化している


瓦の表面に砂が出たような感じで表面がザラザラしている場合は、塗装が剥がれている状態です。
防水性が落ち、セメント瓦の特性で水を吸収しやすい状態になっています。
複数箇所から雨漏りしている


室内の複数箇所から雨漏りしている場合は、瓦の劣化が酷い状況が考えられます。近年の線上降水帯などの大雨を考えると、早めの葺き替えがおすすめです。
次では具体的な屋根リフォーム方法と時期を解説していきます。
セメント瓦の屋根リフォーム方法と時期
セメント瓦屋根のリフォームには、劣化具合によって以下の2つ方法があります。
セメント瓦のリフォーム方法
- セメント瓦の再塗装(10年〜20年)
- セメント瓦の葺き替え(30年以上)
セメント瓦の塗装(10年〜20年)


セメント瓦の性能を維持するには、10年ごとに瓦の塗装が必要です。
塗装をすることで、見た目はもちろんのこと、遮熱、耐久性、防水効果が回復します。
セメント瓦を再塗装をしないとどうなる?
再塗装をしないと、徐々に防水性を失い、瓦の劣化を早めます。
再塗装をしたセメント瓦としていない瓦は、数十年後の劣化具合に大きな差が出ます。実際に同じ時期に建てた家で、屋根塗装の回数によって明らかな差があるご自宅を何度も見てきました。
再塗装は手間がかかりますが、セメント瓦が丈夫なうちに塗装しておく、トータル的に無駄な費用と手間が省けます。
セメント瓦を再塗装する際の注意点
セメント瓦を塗装する際は、以下の2つに注意してください。
- 実績がない業者に依頼しない
- 劣化が進んだセメント瓦は塗装しない
ちゃんとした塗装をしないと、せっかくの屋根リフォームが台無しになってしまいます。
実績がない業者に依頼しない
瓦の塗装は見た目はすぐに綺麗になりますが、やり方を間違えると状態が悪化し、逆に雨漏りする可能性があります。
瓦を塗装をする際は価格だけではなく、実績がある業者かをきちんと調べて依頼することが重要です。
実際に瓦塗装後に雨漏りしたケースを以下のページで紹介しています。(この手のトラブルが非常に多いです。)
セメント瓦の葺き替え(30年以上)
瓦の葺き替えとは、古い瓦をすべて撤去し、新しい瓦に交換することです。また、瓦の下にある防水シートも新しくします。ざっくりとしたイメージですが、新築同様の屋根に生まれ変わると思ってもらえればOKです。
最近の屋根材は、度重なる災害経験を基に日々改良され、メンテナンス性や防災性が大幅に向上しています。瓦の劣化が酷い場合は、早めに新しい陶器瓦に交換されることをおすすめします。
瓦葺き替えの工事の流れについては、以下のページで詳しく紹介しています。
屋根リフォーム前に調べておくこと
屋根リフォームをする前に、以下の3つ項目を確認しておきましょう。
ご自宅の屋根の状態を少しでも知っておくと、工事業者と話す時に役に立ちますし、悪徳業者に騙されるリスクも減らせます。
- セメント瓦の使用年数
- セメント瓦の塗装回数
- 家のデザインと屋根の形状
セメント瓦の使用年数
使用年数によって、屋根塗装か瓦葺き替えかをある程度判断できます。
無駄な工事をしないで済むように、ご自身で把握しておきましょう。なかには、無理な営業をする業者もありますので注意してください。
セメント瓦の塗装回数
セメント瓦の塗装は10年に1回のペースで2回〜3回程度できます。
3回目は約30年程度経過しているので、劣化具合による判断となります。
たとえば、3回目の塗装をした場合、次の10年後は葺き替えの可能性が高いです。
ということは、今のタイミングで陶器瓦に変えると、今回の塗装が必要なく、1回分の塗装費用が(約40万〜60万円程度)抑えられます。ご予算やライフサイクルに合わせて、賢くリフォームしましょう。
家のデザインと屋根の形状
今は瓦以外にも、コロニアルやアスファルシングル、ガルバリム鋼板など、瓦以外のお洒落な屋根材があり、セメント瓦からのリフォームも可能です。(条件あり)
ただし、家のデザインにある程度合う屋根材を選ぶことが重要です。
たとえば、伝統的な日本家屋の屋根を以下の写真のようなコロニアルやアスファルトシングルの屋根にリフォームしたらどうなるでしょうか?




完成後に
「想像していたのと全然違った…。」
となりかねません。
ゆっくり考えて最適な屋根材を選びましょう。
セメント瓦の葺き替えに使用できる屋根材の種類
セメント瓦の葺き替えに使用できる屋根材の種類を紹介していきます。
屋根材よってそれぞれ特徴があります。ご自宅に合った屋根材を選びましょう。
陶器瓦


陶器瓦は屋根材のなかでもっとも耐久性に優れている瓦です。
瓦と言えば少し古いイメージが浮かぶかと思いますが、現在は、伝統的な日本家屋から洋風住宅まで色々なバリエーションが揃っています。
最近よく使われている瓦については、以下のページで紹介しています。
>> 平板瓦が選ばれる理由とは?3つの種類とメリット・デメリットを紹介
コロニアル(スレート)


コロニアルは平べったい板のような形をしている屋根材です。
価格が安いことから、多くの新築住宅に採用され、街中はほとんどがコロニアル屋根となっています。
コロニアルについては、以下のページで詳しく紹介しています。
アスファルトシングル


アスファルトシングルは北米で人気の定番屋根材です。
薄いシートのようなもので、特別な形状の屋根でも施工できるのが特徴です。
さらに、既存のコロニアルを残したまま被せるカバー工法にも適しています。施工がしやすいことから人気急上昇中の屋根材です。
アスファルトシングルについてては、以下のページで詳しく紹介しています。
>> アスファルトシングル屋根材について分かりやすく説明します
また、カバー工法についても以下のページで詳しく紹介しています。
>> 屋根のカバー工法とは?費用からメリット・デメリットまで解説します
ガルバリウム鋼板


ガルバリウム鋼板は金属屋根の一つで、ボックス型のスタイリッシュなモダン住宅によく使われてます。
現在、最も流行っているデザインで、若い人たちに人気となっています。ガルバリウム鋼板については、以下のページで詳しく紹介しています。
>> 【注目の屋根材】ガルバリウム鋼板の耐久年数と特徴を徹底解説!
セメント瓦の葺き替え費用
セメント瓦の葺き替え費用は以下の通りです。
葺き替え費用は屋根の状態や使用する屋根材によって変わります。
工事の種類/屋根材 | 陶器瓦 | コロニアル | アスファルトシングル | ガルバリウム鋼板 |
---|---|---|---|---|
屋根工事費(税込) | 11,000円/㎡〜 | 9,350円/㎡〜 | 9,900円/㎡〜 | 12,100円/㎡〜 |
コンパネ重ね打ち(税込) | なし | 3,300円/㎡ | 3,300円/㎡ | 3,300円/㎡ |
+ |
足場設置(税込) | 20万円程度(足場面積 825円/㎡) |
仮設トイレ設置(税込) | 25,300円 |
<費用に含まれるもの>
屋根材、施工費、防水シート、運搬費、残材処理費※既存の下地が部分的に傷んでいる場合は、別途下地補修工事が必要となります。
追加工事について
セメント瓦から陶器瓦に交換する場合、瓦の下にある下地(野地板)が傷んでいなければ、板はそのまま使用でき、工事費用が抑えられます。
一方で、セメント瓦から瓦以外の屋根材(コロニアル・アスファルトシングル・ガルバリウム鋼板)に変更する場合、下地をコンパネに交換または(重ね貼り)する必要があり、追加費用が発生します。


瓦以外の屋根材が安かったりしますが、下地調整費用のプラスを考えると、トータル費用が同じくらいになります。
耐久性・費用・既存屋根との相性を考えると、既存の屋根が瓦であれば、瓦に交換した方がコストパフォーマンスが良いです。
まとめ:セメント瓦の葺き替えはお早めに
セメント瓦は定期的にしっかりメンテナンスをすることで、約30年〜40年使用できます。
しかし、セメント瓦の生産がストップして既に20年以上経過しており、寿命に近いセメント瓦屋根がほとんどです。
「ご自宅の屋根の経過年数」「劣化状況はどの程度か」を把握したうえで、適切な屋根リフォームを検討しましょう。
現在の陶器瓦は再塗装も必要なく、瓦一枚一枚をビスで止めるので防災面でも安心です。
「そろそろ寿命かなと」と思われたら、一度屋根専門業者に相談し、早めにリフォームされることをおすすめします。

