セメント瓦の屋根葺き替え時期を知りたい方へ。
現在、家の屋根は雨漏りはしていなけれどかなり古い。このまま何もしなくて大丈夫なのかな。
どんなタイミングで屋根をリフォームしていいのかお悩みではないですか。
本記事では下記内容を解説します。
『セメント瓦』の葺き替え時期の参考にしてみてください。
目次
1.セメント瓦の屋根葺き替え時期を知りたい
1-1.セメント瓦の概要
セメント瓦とは、モルタルと砂を混ぜ合わせて作られた『セメントの瓦』です。約30年程度前までは主に四国、九州地区を中心に多く製造されていました。その頃、今よく使われている陶器瓦(粘土)は?というと、当時はまだ高級瓦だった為、なかなかに手が届きにくい瓦でした。ですが、平成10年を過ぎた頃から『陶器瓦(粘土)』の価格が下がり、『メンテナンスフリー』という売り文句で一気に普及しました。この影響で『セメント瓦』のメリットはほぼなくなり、最終的にはほとんどが廃盤の道を辿ることとなりました。
1-2.セメント瓦と陶器瓦の違い
セメント瓦と陶器瓦は見た目は似てますが性質は全く違うものです。
セメント瓦:セメントで作られたもの
陶器瓦:粘土で作られていて、表面に釉薬が塗られているもの
セメント瓦と陶器瓦を比較すると以下表の通りです。
項目 | セメント瓦 | 陶器瓦 |
生産数 | ごく僅か | 多い |
耐久性 | 約30年〜40年 | 約50年〜100年 |
色褪せ | 約10年 | 約50年以上 |
防水性 | 低い | 高い |
費用 | 高い | 安い |
上の表から分かるように、『セメント瓦』の生産が少なくなり、1枚の瓦を作るコストも高くなりました。ただ、現在も屋根の上には多くの『セメント瓦』が乘っており、新しくリフォームするタイミングと方法が分からない状況ではないでしょうか。
次では屋根を新しくタイミングを紹介します。
1-3.屋根葺き替えのタイミング
『セメント瓦』の屋根を新しくリフォームする方法は2つあります。
1つ目は屋根塗装。比較的安い費用で、見た目を新しくし、遮熱効果、耐久性を修復できます。『セメント瓦』は10年毎に再塗装をすることで瓦の性能を維持し、約30年〜40年程使用できます。瓦の寿命まで使えるようにするには約2〜3回程度の塗装が必要です。再塗装をしないと防水性を失い、瓦の劣化を早めます。
2つ目は屋根葺き替えです。古いセメント瓦を全て取り除いて、新しい屋根材に葺き替えます。最近の屋根材は優秀ですので、見た目、メンテナンス性が大幅に向上します。葺き替え後のメンテナンス時期は屋根材の種類によって違います。
現在、セメント瓦の生産がされなくなっておよそ20年以上が経過しています。多くの家のセメント瓦が寿命に近い状態ですので、塗装ではなく屋根葺き替えをオススメします。耐久年数を越えたセメント瓦を塗装をしても数年で割れや、ヒビが発生する可能性があります。
再塗装を選ぶ場合、今から30年以内に葺き替えた屋根のみが対象です。
(近くにたまたまセメント瓦工場があって、手に入ったとか。瓦屋さんが持っていたとかだと思います。)
2.屋根材選びと費用感を知りたい
2-1.屋根選びをする前にやること
屋根葺き替え工事をする前に確認することがあります。
・『セメント瓦』の使用年数
・塗装した回数
・家のデザインと屋根の形状
『セメント瓦』の寿命は10年毎の再塗装メンテナンスをして、ようやく約30年〜40年の耐久年数となります。塗装した回数が2回~3回以上になると次の再塗装の効果は薄くなります。瓦の寿命をしっかり把握して、瓦の葺き替え予定を立てましょう。
次に屋根の形状、家のデザインをチェックしましょう。
昔ながらの日本家屋を最近流行りのガルバリウム鋼板や、コロニアル、アスファルトシングルといった軽量屋根材に変えると重厚感がないので違和感を感じるかもしれません。工事自体はもちろん可能ですが、完成後に『想像してたものと違った…』ってことにならないよう、よく考えて選びましょう。ご自宅が昔ながらの日本家屋でしたら、スムーズに葺き替えができるのは『陶器瓦』です。特に違和感なく、瓦を新しくすることができます。
2-2.屋根工事の相場
屋根材の相場は以下表の通りです。あくまでも目安としてご参考ください。
※税別価格となります。
屋根材 | 工事費用 | 耐久年数 |
陶器瓦 | 9,500円/㎡~ | 約50年〜100年 |
コロニアル | 7,500円/㎡~ |
約15年~25年 (約10年毎に塗装) |
アスファルトシングル | 8,000円/㎡~ |
約20年 |
ガルバリウム | 9,000円/㎡~ |
約20年~30年 |
※既存屋根の下地が痛んでる場合は、別途下地工事が必要となります。
※2004年迄のコロニアル(スレート屋根)をリフォーム(葺き替え)する場合は、別途アスベスト処理が必要となる場合があります。
<費用に含まれてないもの>
足場設置費 850円/㎡
※周辺環境、屋根の種類によって設置が必要となります。
陶器瓦
コロニアル
アスファルトシングル
ガルバリウム
最近は震災が多いことから瓦の重さが心配で、瓦以外のコロニアル、アスファルトシングル、ガルバリウムといった軽量屋根材を検討される方もいらっしゃいます。家のデザイン、屋根の形状が合えば、葺き替え可能です。
但し、下地が異なる為、コンパネ(コンクリートパネル)取り付け工事が必要です。
コンパネ(コンクリートパネル)
2-3.セメント瓦の葺き替えは陶器瓦がオススメ
『セメント瓦』の屋根葺き替えに限っては、費用面、メンテナンス、既存の家のデザインを考えても『陶器瓦』への葺き替えが一番スムーズです。同じ瓦同士での葺き替えなので、工事完了後も満足頂ける仕上がりになります。
また、『陶器瓦』の場合、屋根葺き替え後のメンテナンスが不要です。これは大きなポイントではないでしょうか。高齢になってからの余計な支出はしたくないものです。再度の工事の依頼・お見積り・打ち合わせも必要ないので安心です。但し、屋根材は一度葺き替えをすると簡単に取り換えできないので、それぞれの屋根材の特徴をよく知ってから選びましょう。
3.まとめ セメント瓦の屋根葺き替えの目安は30年〜40年です。
ざっくりとセメント瓦の屋根葺き替え時期をまとめました。
1.30年〜40年以上の使用は葺き替え
2.30年以内の使用は再塗装も検討できる
これまで色々と紹介してきましたが、1番大切なのは見た目よりも、家を守ることです。代々受け継がれたきた家に少しでも長く住むには適切な時期にメンテナンスをすることです。雨漏りしていなければすぐに工事をする必要はありませんが、セメント瓦の葺き替えは『約30年〜40年を一つの目安』としてご参考頂けたらと思います。