最近、震災の影響で注目が集まっている『アスファルトシングル』。北米では人気の定番屋根材で、軽量かつ、デザイン性も高く評価されています。既存の屋根を残したまま屋根をリフォームする『カバー工法』にも適しており、日本でも徐々に需要が高まっています。今回はこの『アスファルトシングル』についてメリット・デメリットを分かりやすく説明していきます。
目次
1.アスファルトシングルとは
『アスファルトシングル』はガラス基材にアスファルトを塗った後、表面に石粒を吹き付けて接着させたものです。屋根材の中では珍しく、シート状のものとなります。1枚1枚のシートを貼り付けていくような施工法です。カットも簡単で、色々な形状の屋根にも対応できます。非常に軽く、耐震性も高いです。
2.アスファルトシングルのメリット、デメリット
屋根材にはそれぞれメリット、デメリットあります。ここでは『アスファルトシングル』の特徴を紹介します。
2-1.メリット
①軽い
シート状なので非常に軽いです。重さは瓦の約1/4、スレートの約1/2と軽量の為、建物への負担が少なく、耐震性に優れています。
②防水性に優れている
『アスファルトシングル』自体が防水シートの為、通常の防水シート(ルーフィング)と二重構造となり、防水性は屋根材の中で高いです。
③吸音性に優れている
表面に付着している石粒が、音を吸収する役目をしているので、金属屋根と比較すると雨音も静かです。
④台風・震災時も安心
よくあるのが台風、地震時に屋根材が近所に飛散し、家や車に直撃して被害が出るケースです。『アスファルトシングル』の場合、軽量なので飛散しても大きな被害はなく、人的被害もありません。
⑤高いデザイン性
北米の高いデザイン性で、粒状彩色石を塗布した色合いが立体感を演出しています。色も選べるので、和・洋風住宅どちらにも合わせられ、個性的な屋根に仕上げることができます。
⑥カバー工法に最適
近年、古いスレート(コロニアル)屋根のリフォーム需要が高まっています。そこで、問題なのが既存屋根撤去時の処理方法。2005年より前のスレート屋根には、アスベストが含まれており、撤去となると高額なアスベスト処理費が発生します。さらに、住宅密集地は近隣への配慮も必要となり、取り換え(葺き替え)工事は大変です。それを解決できるのが『カバー工法』です。
『カバー工法』は、既存屋根の上に防水シートを貼り、『アスファルトシングル』を覆い被せます。住宅密集地でも問題なくできます。廃材も出ないので、環境に優しい工法です。既存屋根の撤去が不要となることで、費用が安くなり、工期短縮にもなります。
2-2.デメリット
①瓦と比べると耐久性が劣る
陶器瓦の耐久性が約50年に対し、『アスファルトシングル』は約20年~30年となります。ただ、古くなってきたら新しい『アスファルトシングル』を覆い被せてリフォームすることができます。
②取り扱い屋根工事専門業者が少ない
陶器瓦、スレート(コロニアル)と比べると『アスファルトシングル』を取り扱う業者は少ないです。ガイドラインに沿った施工をしないと、台風時に飛散する原因となりますので、施工実績のある屋根工事専門業者に依頼されるのが安心です。
3.費用
3-1.屋根カバー工法費用
既存のコロニアル(スレート)屋根の上にそのままアスファルトシングルを被せる工法です。既存屋根の撤去費用を抑えることができ、工期も短くなります。また、2004年までのコロニアル(スレート)にはアスベストが含まれており、撤去するとなるとアスベスト処理費が高いです。撤去ではなく被せることでアスベスト処理費用を抑えることができます。街中の住宅密集地にはカバー工法は最適な屋根リフォームです。
屋根形状/屋根材 | アスファルトシングル![]() |
片流れ![]() |
7,000円/㎡~ |
切妻![]() |
7,500円/㎡~ |
寄棟![]() |
9,000円/㎡~ |
入母屋![]() |
10,500円/㎡~ |
<費用に含まれるもの>
屋根材、施工費、防水シート(ルーフィング)、、瓦巻き揚げ、運搬費、残材処理費、既存屋根洗浄費
※既存屋根の下地が痛んでる場合は、別途下地工事が必要となります。
<費用に含まれてないもの>
足場設置費 850円/㎡
※周辺環境、屋根の種類によって設置が必要となります。
3-2.屋根全面リフォーム(葺き替え)費用 アスベストなし
既存の屋根を撤去して、全面リフォームする場合の費用となります。
2005年以降のコロニアル(スレート屋根)は、アスベストは含まれていない可能性が高いです。
屋根形状/屋根材 | アスファルトシングル![]() |
片流れ![]() |
8,000円/㎡~ |
切妻![]() |
8,500円/㎡~ |
寄棟![]() |
10,000円/㎡~ |
入母屋![]() |
11,500円/㎡~ |
<費用に含まれるもの>
屋根材、施工費、防水シート(ルーフィング)、瓦巻き上げ機、運搬費、残材処理費、既存屋根材撤去費
※既存屋根の下地が痛んでる場合は、別途下地工事が必要となります。
<費用に含まれてないもの>
足場設置費 850円/㎡
※周辺環境、屋根の種類によって設置が必要となります。
3-3.屋根全面リフォーム(葺き替え)費用 アスベストあり
アスベストが含まれているコロニアル(スレート屋根)を撤去して、全面リフォームする場合の費用となります。
2004年迄のスレート屋根は、アスベストが含まれている可能性がありますので、アスベスト処理費用が高いです。
処理費として2,000円/㎡が必要で、近隣住民の方への配慮も必要となります。
屋根形状/屋根材 | アスファルトシングル![]() |
片流れ![]() |
10,000円/㎡~ |
切妻![]() |
10,500円/㎡~ |
寄棟![]() |
12,000円/㎡~ |
入母屋![]() |
13,500円/㎡~ |
<費用に含まれるもの>
屋根材、施工費、防水シート(ルーフィング)、瓦巻き上げ機、運搬費、残材処理費、既存屋根材撤去費、アスベスト処理費(2,000円/㎡)
※既存屋根の下地が痛んでる場合は、別途下地工事が必要となります。
<費用に含まれてないもの>
足場設置費 850円/㎡
※周辺環境、屋根の種類によって設置が必要となります。
3-4.例 150㎡のスレート屋根をアスファルトシングルで新しくした場合の料金比較
既存屋根の詳細:切妻屋根 / アスファルトシングル / 150㎡
工事名 | 費用 |
カバー工法 | 1,125,000円 |
リフォーム(葺き替え)工事 アスベストなし | 1,275,000円 |
リフォーム(葺き替え)工事 アスベストあり | 1,575,000円 |
<費用に含まれてないもの>
足場設置費 850円/㎡
※周辺環境、屋根の種類によって設置が必要となります。
こんな家に向いています。
・耐震性を考えて、軽い屋根にしたい。
・屋根の形状が複雑。
・アスベストが含まれたコロニアル屋根をカバー工法でリフォームしたい。
いかがでしたでしょうか。『アスファルトシングル』は非常に軽量で耐震性に優れた屋根材です。近年、震災が多発する日本にとって、最適な屋根材と一つと言えるでしょう。耐震性だけではなく、デザイン性にも優れ、色んな形状の屋根に対応できるのも魅力的です。北米での100年の実績も納得の屋根材です。日本代表が『和瓦(J型)』なら、北米は『アスファルトシングル』です。それくらい信頼性があります。ただ、それぞれの屋根材には特徴がありますので、メリット・デメリットを理解したうえで、地域の特性、ご自宅にあった屋根材をお選びください。
熊本、福岡の屋根工事なら『城北瓦』にお任せください。
ご自宅の屋根が心配な方は屋根専門家による、無料屋根点検も行っております。早めに家のメンテナンスをすることで、家へのダメージを軽減できます。屋根リフォーム・屋根点検・屋根修理ご希望の方は、下記よりお電話、メールフォームにてお問い合わせください。LINEでのご相談も受け付けております。お気軽にご利用ください。