屋根のカバー工法とは?費用からメリット・デメリットまで解説します


屋根のリフォームって結構お金かかりそうだけど実際はどうなんだろう?カバー工法がいいって本当?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
・カバー工法が注目されている理由
・カバー工法の工事費用をざっくりと紹介
・カバー工法ができる屋根とできない屋根
・カバー工法の施工法
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というわけで今回は、工事費用が安く、機能性・デザインも優れた、人気のカバー工法について紹介していきます。
事前に家の屋根のことを知っていれば工事費用を抑えることもできます。
ちなみに、今回紹介するカバー工法ができれば、約30万円以上の工事費用を抑えられる可能性があります。
ステップごとに分かりやすく紹介していきますので、カバー工法を詳しく知りたい方は、是非参考にしてみてください。
1.カバー工法とは


これまで屋根のリフォームと言えば古い屋根を撤去して、新しい屋根に取り替える葺き替え工事がメインでしたが、現在は既存の屋根を残したまま上から新しい屋根材を被せるカバー工法が採用されることが多くなりました。
カバー工法ができる屋根の種類は限られますが、工事費用が安く、廃材を出さない環境に優しい施工で人気が高まっています。
次ではカバー工法の特徴をさらに詳しく解説していきます。
2.カバー工法のメリット、デメリット
ここではカバー工法のメリット・デメリットを分かりやすく説明します。
2-1.メリット
①:費用が安い
②:遮熱、防音効果が高くなる
③:工期が短い
④:環境に優しい
①費用が安い
既存の屋根をそのままにするので、葺き替え時に発生する、撤去費、下地補修費、アスベスト処理費などが必要なく、コストを削減できます。
②遮熱、防音効果が高くなる
既存の屋根が下に敷いてあるので、新しい屋根との二重となり、遮熱、防音効果が高くなります。
③工期が短い
既存の屋根をそのままにするので、既存屋根の撤去、下地補修費、アスベスト処理の作業が必要なく、工期を短縮できます。近隣住宅への配慮も最小限で済むので、住宅密集地ではカバー工法がよく使われます。
④環境に優しい
カバー工法は廃材が出ないので、地球環境に優しい工事方法です。
2-2.デメリット
①:屋根が少し重くなる
②:メンテナンス費用が高くなる
①屋根が少し重くなる
屋根材を重ねるので葺き替え工事と比べ、屋根が少し重くなります。但し、新しく使用するガルバリウム鋼板やアスファルトシングルは軽量ですので、二重にしても、陶器瓦と比べ軽量です。(総重量は陶器瓦のおよそ半分くらいの重さです。)
②メンテナンス費用が高くなる
雨漏りで下地が腐ったり、屋根を葺き替えたい場合、二重の屋根を剥がしての修理となるので、費用が高くなります。
3.工事費用
3-1.カバー工法の工事費用
工事名 | 費用 |
カバー工法 (コロニアルの上にアスファルトシングル) | 7,500円/㎡〜 |
カバー工法 (コロニアルの上にガルバリウム鋼板) | 9,500円/㎡〜 |
+ | |
足場設置 | 25万円程度 (足場面積 850円/㎡) |
仮設トイレ設置 | 25,000円 |
<費用に含まれるもの>
屋根材、施工費、防水シート(粘着ルーフィング)、運搬費、残材処理費
※既存の下地が部分的に傷んでいる場合は、別途下地補修工事が必要となります
3-2.カバー工法と葺き替えの料金を比較
参考例:屋根面積 100㎡ / スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)/ アスベストあり
使用屋根材:旭ファイバー リッジウェイ
※ざっくりとした目安となりますので、予めご了承ください。
項目 / 工事の種類 | カバー工法 (スレート屋根→アスファルトシングル) | 葺き替え (スレート屋根→アスファルトシングル) |
屋根工事 | 屋根面積 100㎡✖️工事代 7,500円 = 75万円 | 屋根面積 100㎡✖️工事代 7,500円 = 75万円 |
既存屋根撤去 | なし | 屋根面積 100㎡✖️撤去代 1,500円 = 15万円 |
アスベスト処理費 | なし | 屋根面積 100㎡✖️アスベスト処理代 2,000円 = 20万円 |
+ | ||
足場設置 | 25万円 (足場面積 850円/㎡) | |
仮設トイレ設置 | 25,000円 | |
合計 | 1,025,000円 | 1,37,5000円 |
差額で約35万円抑えられます。
但し、カバー工法には条件があります。
3. カバー工法ができる条件
2つの抑えるべきこと
・カバー工法に使用できる屋根材
・カバー工法をする前にチェックするポイント
3-1.カバー工法ができる屋根材
カバー工法ができる屋根材はアスファルトシングルとガルバリウム鋼板です。
アスファルトシングル


海外では一般的で100年以上前から使用されており、北米では定番の屋根材です。軽量かつデザイン性に優れ、外観の見た目はグラデーション調でお洒落です。また、柔らかい素材なので、ひび割れや、錆びつくこともありません。
ガルバリウム鋼板


金属屋根ながらも、錆びにくく、耐用年数に優れています。モダンなデザインは最近の建築家に好まれ、若い年齢層を中心に人気です。最近の新築住宅によく使われています。
3-2.カバー工法をする前に必ずチェックするポイント
①:既存の屋根の種類
②:屋根勾配
③:下地が痛んでいないか
④:既存屋根材のアスベストの有無
①既存屋根の種類
カバー工法ができるのはスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)とアスファルトシングルになります。瓦屋根はカバー工法ができませんので、事前に確認ください。
②屋根勾配
ほとんどの屋根材メーカーが屋根勾配2.5寸以上を推奨しています。緩勾配には向いていません。
③下地が痛んでいないか
下地とは屋根材の下にある板のことです。下地が酷く痛んでいる場合はカバー工法ではなく、下地の取り替えも含めた葺き替え工事をお勧めします。屋根専門業者に点検してもらい、判断してもらいましょう。
④既存屋根材のアスベストの有無を確認
2004年迄に作られたスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)にはアスベストが使われている可能性があります。その場合、アスベスト対策として一般的に考えられているのがカバー工法です。
カバー工法は既存の屋根材に新しい屋根を被せることでアスベストの飛散を防ぎます。但し、アスベストを含んだままでは不安だと思われる方もいらっしゃると思います。
その場合は費用と手間はかかりますが、葺き替え工事をお勧めします。
4.カバー工法の施工手順
アスファルトシングルのカバー工法は以下の手順で行います。
<施工の流れ>
①:高圧洗浄
②:軒先板金の取付け
③:粘着防水シート貼り
④:屋根本体の取り付け
⑤:棟の仕上げ
⑥:完成
4-1.①既存屋根の洗浄


まずは苔などを洗い落とします。
(※屋根の状態によって省略する場合あり。)
4-2.②軒先板金の取付け


軒先にリフォーム用の軒先板金を取付けます。
4-3.③粘着防水シート貼り


既存の屋根材の上に粘着性の防水シートを貼ります。
4-4.④屋根材本体の取付け


シングル用のセメント接着剤を付けます。


シングル用の釘で止めます。
4-5.⑤棟の仕上げ


板金で仕上げた棟です。


同質役物で仕上げた棟です。
板金仕上げと屋根材と同じ材質の同質仕上げの2パターンから選べます。
4-6.⑥完成


これで完成です。
5.安心の技術とアフターフォロー
弊社は屋根材メーカーの技術講習会にも積極的に参加し、葺き替えとカバー工法には10年の屋根工事保証を設けています。
5-1.旭ファイバーグラス リッジウェイ施工講習


受講中の様子です。製品の特徴をしっかり学んで、マニュアルに沿った工事を行います。


メーカーから発行された受講修了証です。
5-2.10年工事保証


10年以内に雨漏り等のトラブルが発生した場合は、無料で修理いたします。
まとめ:コスパ重視ならアスファルトシングルのカバー工法がおすすめ!
アスファルトシングルのカバー工法はお財布にも環境にも優しい工事方法です。
ただし、工事ができる条件もあるので、最初にご自宅の屋根がカバー工法できるのをしっかり確認して上手にリフォームしましょう。
リフォームの判断基準がよく分からない時は、お近くの屋根工事専門業者に相談してみてください。