屋根のカバー工法とは?費用からメリット・デメリットまで解説します
お客様
屋根のリフォームって結構お金かかりそうだけど実際はどうなんだろう?カバー工法がいいって本当?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- カバー工法が注目されている理由
- カバー工法の工事費用
- カバー工法ができる屋根の条件
- カバー工法の施工法
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今回はカバー工法について紹介していきます。
カバー工法は既存の屋根材を残したまま、新しい屋根材を被せてリフォームする方法です。
工事費用が抑えられたり、工期が短いなどのメリットがあります。
本記事では、カバー工法のメリットやデメリット、費用、そして具体的な施工例までを詳しく解説します。
屋根のリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
屋根のカバー工法とは?今の屋根はそのままで新しい屋根材を被せる工法
これまで屋根のリフォームと言えば古い屋根を撤去して、新しい屋根に取り替える葺き替え工事がメインでした。
しかし、現在は既存の屋根を残したまま、新しい屋根材を被せるカバー工法が多くなっています。
既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を設置できるため、工期の短縮やコストの削減が可能です。
次ではカバー工法のメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
カバー工法の4つのメリット
カバー工法には、4つのメリットがあります。
以下、それぞれ紹介します。
- 費用が安い
- 工期が短い
- 遮熱・防音が高くなる
- 環境に優しい
費用が安い
カバー工法は既存の屋根をそのまま残すので、撤去費、下地補修費、アスベスト処理費などが必要なく、全体の工事コストを削減できます。
工期が短い
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、工期が短くなります。
通常の屋根リフォームでは、古い屋根材を取り除く作業が必要であり、その分の時間がかかりますが、カバー工法ではその工程が省略されるため、施工期間が大幅に短縮されます。
短期間での施工により、居住者や近隣住民への影響も最小限に抑えることができます。
遮熱・防音が高くなる
屋根が二重構造になることで、遮熱性や防音性が向上します。夏の暑い日差しや冬の寒さをより効果的に遮断し、室内の温度を一定に保ちます。
また、雨音や外部の騒音も軽減されるので、室内はより静かで快適な環境となります。
環境に優しい
カバー工法は、古い屋根材を撤去せずに再利用するため、廃棄物の発生を減らせます。環境負荷を減らすエコな屋根リフォームとしても注目されています。
カバー工法のデメリット
カバー工法には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
以下、デメリットについてそれぞれ解説します。
- 屋根が少し重くなる
- メンテナンス費用が高くなる場合がある
- 瓦屋根には対応していない
屋根が少し重くなる
カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、全体の重量が増加します。
元々の家の構造が軽量であった場合には注意が必要です。屋根の重さが増すことで、建物全体にかかる負荷が増え、耐震性や耐久性に影響を及ぼす可能性があります。
ただし、カバー工法でよく使用されるガルバリウム鋼板やアスファルトシングルの軽量屋根材は、二重にしても陶器瓦と比べ軽量です。(総重量は陶器瓦のおよそ半分くらいの重さ。)
メンテナンス費用が高くなる
カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、既存の屋根材と新しい屋根材の間に問題が発生した場合、原因の特定が難しく、修理費用が高くなる場合があります。
瓦屋根には対応していない
カバー工法は、スレート屋根やアスファルトシングルなどの屋根材には有効ですが、瓦屋根には適用できません。
瓦屋根は重ねて施工することが難しく、カバー工法のメリットを活かすことができません。瓦屋根の場合は、カバー工法ではなく、瓦の修理や部分的な交換、もしくは全面的な葺き替えなど、別のリフォーム方法を検討する必要があります。
【屋根材別】カバー工法の工事費用
カバー工法にかかる費用は使用する材料によって異なります。
以下では、代表的な屋根材ごとの費用について詳しく解説します。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、比較的リーズナブルな価格で施工できる屋根材です。
軽量さが特徴で、既存の屋根に重ねる際にも建物への負担が少なく、カバー工法に適しています。
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屋根の工事費
屋根材の種類 | 費用(税込) |
---|---|
アスファルトシングル | 8,250円/㎡〜 |
その他の工事費
工事の種類 | 費用(税込) |
---|---|
足場設置 | 20万円程度 (足場面積 825円/㎡) |
仮設トイレ設置 | 25,300円 |
費用に含まれるもの
新しい屋根材、施工費、防水シート(粘着ルーフィング)、運搬費、残材処理費、諸経費など
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、軽量で耐久性の高い金属の屋根材として人気があります。
ガルバリウム鋼板は、亜鉛とアルミニウムの合金でできており、優れた耐食性を持っています。また、軽量性から建物にかかる負担が少なく、カバー工法に適しています。
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屋根の工事費
屋根材の種類 | 費用(税込) |
---|---|
ガルバリウム鋼板 | 9,900円/㎡〜 |
その他の工事費
工事の種類 | 費用(税込) |
---|---|
足場設置 | 20万円程度 (足場面積 825円/㎡) |
仮設トイレ設置 | 25,300円 |
費用に含まれるもの
新しい屋根材、施工費、防水シート(粘着ルーフィング)、運搬費、残材処理費、諸経費など
石粒付ガルバリウム鋼板
石粒付ガルバリウム鋼板は、高級感のある見た目と優れた耐久性を兼ね備えた屋根材です。
ガルバリウム鋼板の表面に石粒が付着しているため、優れた遮音性と断熱性を持ち、屋内の快適性を向上させる効果があります。
また、耐腐食性や耐候性にも優れているため、長期間にわたって美観を保つことができます。アスファルトシングルやガルバリウム鋼板と比べると初期費用は高めですが、長期的なメンテナンスコストを抑えることが期待できます。
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屋根の工事費
屋根材の種類 | 費用(税込) |
---|---|
石粒付ガルバリウム鋼板 | 11,500円/㎡〜 |
その他の工事費
工事の種類 | 費用(税込) |
---|---|
足場設置 | 20万円程度 (足場面積 825円/㎡) |
仮設トイレ設置 | 25,300円 |
費用に含まれるもの
新しい屋根材、施工費、防水シート(粘着ルーフィング)、運搬費、残材処理費、諸経費など
カバー工法と葺き替え工事の費用比較
「既存の屋根材を残したまま施工するカバー工法」と「既存の屋根材をすべて撤去して新しくする葺き替え工事」の費用を下記の条件で比較しました。
屋根面積 | 100㎡ |
既存の屋根 | スレート屋根(コロニアル・カラーベスト) |
アスベストの有無 | アスベストあり |
使用屋根材 | アスファルトシングル |
費用比較
スクロールできます
項目 / 工事の種類 | カバー工法 (スレート屋根→アスファルトシングル) | 葺き替え (スレート屋根→アスファルトシングル) |
---|---|---|
屋根工事 | 屋根面積 100㎡✖️工事代 8,250円 =82.5万円 | 屋根面積 100㎡✖️工事代 8,250円 =82.5万円 |
既存屋根撤去 | なし | 屋根面積 100㎡✖️撤去代 1,650円 =16.5万円 |
アスベスト処理 | なし | 屋根面積 100㎡✖️アスベスト処理代 2,750円=27.5万円 |
足場設置 | 20万円程度 (足場面積 825円/㎡) | 20万円程度 (足場面積 825円/㎡) |
仮設トイレ設置費 | 25,300円 | 25,300円 |
合計 | 1,050,300円 | 1,490,300円 |
差額で約44万円抑えられます。
ただし、カバー工法には条件があります。
カバー工法ができる屋根の条件
カバー工法を適用できる屋根にはいくつかの条件があります。
以下、条件についてそれぞれ詳しく解説します。
- 既存屋根材の種類
- 既存屋根の状態
- 下地の状態
- 重さの制限
- 屋根の勾配
- 既存屋根材のアスベストの有無を確認
既存屋根材の種類
カバー工法が適用できる屋根材は以下の3種類です。瓦屋根は前述の通り対象外となります。
- スレート屋根
- アスファルトシングル
- 金属屋根(ガルバリウム鋼板)
屋根勾配
カバー工法を適用するためには、屋根の勾配が適切であることも条件となります。
それぞれの屋根材に合わせた適切な勾配が必要です。
勾配が不足している場合、新しい屋根材が適切に機能せず、雨漏りなどの問題が発生する可能性があります。施工前に屋根の勾配を確認しておくことが重要です。
下地の状態
下地とは屋根材の下にある板のことです。下地が酷く痛んでいる場合はカバー工法ではなく、下地の取り替えも含めた葺き替え工事をお勧めします。
下地の状態が悪い場合、施工後のリスクが高いです。施工前には下地の状態を確認し、必要に応じて補強や修繕を行うことが重要です。
屋根専門業者に点検してもらい、判断してもらいましょう。
既存屋根材のアスベストの有無を確認
2004年迄に作られたスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)にはアスベストが使われている可能性があります。
その場合、アスベスト対策として考えられているのがカバー工法です。カバー工法は、既存の屋根材に新しい屋根を被せることでアスベストの飛散を防ぎます。
ただし、アスベストを含んだままでは不安だと思われる方もいます。その場合は、費用と手間はかかりますが、古い屋根材をすべて撤去して新しくする、葺き替え工事をお勧めします。
重さの制限
カバー工法では、新しい屋根材を既存の屋根の上に重ねるため、総重量が増加します。そのため、建物全体の構造がその重さに耐えられるかどうかを確認することが必要です。
元々軽量の屋根を持つ古い建物では、重量の増加が構造に負担をかける可能性があります。建物の耐久性や耐震性を考慮することが重要です。
カバー工法の施工手順(アスファルトシングル仕様)
例として、カバー工法におけるアスファルトシングルを使用した施工手順を解説します。
施工の流れ
- 既存屋根の高圧洗浄
- 軒先板金の取付け
- 粘着防水シート貼り
- 屋根本体の取り付け
- 棟の仕上げ
- 完成
手順①:既存屋根の高圧洗浄
まず、高圧洗浄機を使用して、屋根全体をしっかりと洗浄します。屋根の汚れや苔、カビなどを除去し、新しい屋根材の接着性を向上させます。 (※屋根の状態によって省略する場合あり。)
洗浄後は、しっかりと乾燥させます。乾燥が不十分だと、粘着防水シートが上手く吸着しません。
手順②:軒先板金の取付け
次に、軒先に板金を取り付けます。軒先板金は、屋根材の端部を保護する役割を果たします。
手順③:粘着防水シート貼り
軒先板金の取り付けが完了したら、次に粘着防水シートを貼ります。防水シートは、屋根材の隙間から入った雨水の浸入を防ぐ重要な二次防水の役割を果たします。
手順④:屋根材本体の取付け
防水シートの貼り付けが完了したら、アスファルトシングル本体の取り付けデス。シングル材を下から上に向かって並べ、専用の接着剤を塗り、釘で固定しながら、重ねていくように取り付けます。
手順⑤:棟の仕上げ
屋根材本体の取り付けが完了したら、棟の部分を仕上げます。
棟の仕上げ方は、板金仕上げと屋根材と同じ材質の同質仕上げの2パターンから選べます。
手順⑥:完成
これで完成です。いかがでしょうか。カバー工法でも十分に屋根全体リフォームができます。
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工事保証については以下のページで詳しく記載しております。
>> 工事保証について
まとめ:カバー工法は既存の屋根をよく確認してから検討しましょう
カバー工法は費用対効果が高く、工期も短い屋根リフォームの方法です。
しかし、カバー工法を採用する際は、既存の屋根の状態や構造を確認しておくことが重要です。
カバー工法を検討している方は、お近くの屋根工事専門の業者に相談し、最適な方法で工事を進めましょう。