台風・地震に強い防災瓦とは?メリットやデメリット、種類まで解説
お客様
家の瓦屋根が古くなってきたから、瓦を新しくしたいけど災害に強い防災瓦って何が違うの?
今回は、こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 防災瓦の特徴
- 防災瓦のメリットとデメリット
- 防災瓦の種類
防災瓦は、台風や地震などの自然災害から家を守るために設計された瓦です。
築30年以上の家に住んでいる方にとって、屋根の劣化は大きな悩みの一つです。防災瓦を採用することで、家の安全性を高めるだけでなく、長期的なメンテナンスコストの削減にも繋がります。
本記事では、防災瓦の基本情報、メリットやデメリット、種類や耐用年数について詳しく解説します。屋根のリフォームを検討する際にぜひ参考にしてください。
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目次
防災瓦とは
防災瓦とは、地震や台風などの自然災害に対して高い耐久性を持つ瓦です。
1995年の阪神淡路大震災、1998年の大型台風など、自然災害が多くなる中、各瓦メーカーが災害対策として瓦の改良を重ね、1999年頃に出始めたのが防災瓦となります。
以下、防災瓦の素材、特徴、耐用年数の3つに分けて紹介します。
防災瓦の素材
防災瓦は、陶器瓦と同じで原料は粘土です。
岩石が風化してできた粘性の強い土を細かくした後に水を入れて粘土の硬さを調整したあと、圧縮・成形し、瓦の形にします。
瓦の形ができたら、約1,000度〜1,250度の高温で1日以上かけて釜で焼きます。長時間焼くことで、耐久性の高い丈夫な瓦が仕上がります。
防災瓦の特徴
防災瓦には、地震や台風の自然災害対策の工夫がされています。
瓦同士を引っ掛けるアームは、地震や台風時の瓦の落下を防いでくれます。さらに、現在では瓦1枚1枚をビスで止めているため、より強固な施工となっています。
これにより自然災害後の修理費用や安全面での不安を軽減することができます。
防災瓦の耐用年数
現在の防災瓦の耐用年数は約50年以上です。
他の屋根材が約30年程度となりますので、比較すると耐久性が高いことが分かります。
定期的なメンテナンスを行うことで、さらに長持ちさせることも可能です。防災瓦の能力を最大限活かすことで、長期的な安全と安心を確保できます。
防災瓦の5つのメリット
防災瓦には、災害に強いと言われる5つのメリットがあります。
以下、それぞれ解説します。
防災瓦の5つのメリット
- 耐震性
- 耐久性
- 防水性
- 断熱性
- 遮音性
耐震性
防災瓦の耐震性に優れた瓦です。
地震が発生した際、防災瓦は特殊な設計により、瓦がずれたり落下したりするのを防ぎます。
瓦メーカーによる地震縦揺れと横揺れを再現する耐震性性能試験を実施した結果、震度7クラスの地震でも瓦の落下や破損はありませんでした。
防災瓦は瓦同士の噛み合わせと固定方法が強固であるため、地震の強い揺れにも耐えることができます。
耐久性
防災瓦の寿命は約50年以上で、非常に高い耐久性を誇ります。
さらに、耐震性もしっかりしているため、定期的なメンテナンスが最小限で済みます。
将来的な追加のコストや手間を減らすことができるので、長期目線でコストパフォーマンスの高い屋根材です。
瓦のメンテナンスについては、以下で紹介しています。
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防水性
防災瓦は雨水が排水されやすく設計されているため、防水性が高く、雨漏り防止にも効果的です。
また、通気性が良く、湿気や結露に強い特徴もあります。瓦の下に空気の層ができるように設計されているため、湿気がこもりにくく、結露しにくい構造になっています。
防水性が高いことで、屋根内部の腐敗を防ぎ、家全体の健康を保つことができます。
断熱性
防災瓦は、瓦の下に空気の層を作るため、断熱効果もあります。
瓦の下の空気の層は、熱を屋根裏に伝えにくく、室内の熱を逃がしにくいという効果が期待できます。
さらに、空気の層の断熱効果に加えて、瓦そのものが熱を蓄える容量も大きいため、断熱性の高い屋根材です。
夏は室内を涼しく保ち、冬は暖かさを維持することで、冷暖房費の削減にも繋がります。断熱性能を持つ防災瓦は、季節を問わず快適な生活環境を提供します。
遮音性
防災瓦に使われている粘土には、音を吸収する効果があります。
雨音や風の音を軽減する効果があり、静かな室内環境を保つことができます。
遮音性の高い防災瓦は、静かな生活を求める家庭にとって大きなメリットです。
防災瓦の3つのデメリット
防災瓦には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
以下、それぞれ解説します。
防災瓦の3つのデメリット
- 割れる可能性がある
- 瓦の交換が難しい
- スレートや金属屋根より重い
割れる可能性がある
防災瓦は耐久性に優れているものの、強い衝撃や重い物が落ちると割れる可能性があります。
また、瓦が割れるとその部分から雨水が浸入し、雨漏りにつながります。
割れた瓦の修理や交換が必要になるため、メンテナンスコストが増えるリスクがあります。
瓦の交換が難しい
防災瓦の交換作業は、他の屋根材に比べて難しいとされています。
以前の瓦は固定していないので、瓦が割れても簡単に交換できましたが、現在はしっかりと固定されている分、取り外しには専門的な技術が必要です。
また、交換する際には周囲の瓦も影響を受けやすく、慎重な作業が求められます。このため、瓦の交換には時間とコストがかかることが多く、緊急時の修理が難しい場合があります。
スレートや金属屋根より重い
防災瓦はスレートや金属屋根に比べて重いです。
屋根の重量が増すことで、家全体の構造に負担がかかることがあります。特に古い家屋では、構造が瓦の重さに耐えられない場合もあり、補強工事が必要になることもあります。
地震の際には屋根全体が大きな揺れに耐える必要があります。
防災瓦の種類
防災瓦にはいくつかの種類があり、和型瓦(J型)、平板瓦(F型)、南欧風洋瓦(S型)が代表的な種類です。
以下、それぞれの種類について詳しく説明します。
和型瓦(J型)
和型瓦(J型)は、日本の伝統的な瓦の形状を持つ防災瓦です。美しい曲線と重厚感があり、日本家屋の屋根によく合います。和風の外観を重視する家庭には最適な選択肢と言えます。
平板瓦(F型)
平板瓦(F型)は、フラットな形状が特徴の防災瓦です。現代的なデザインの家屋に合わせやすく、シンプルで洗練された外観を持ちます。施工が比較的簡単で、他の瓦と比べてコストパフォーマンスにも優れています。
F型リンク
南欧風洋瓦(S型)
南欧風洋瓦(S型)は、南欧風のデザインを持つ防災瓦で、波打つような形状が特徴です。おしゃれでエレガントな外観が魅力で、洋風の家屋によくマッチします。S型瓦は、通気性に優れており、屋根裏の換気がしやすくなります。デザイン性と機能性を兼ね備えた瓦として、多くの家庭で採用されています。
防災瓦の取り扱いメーカーと製品
防災瓦を製造・販売しているメーカーには、それぞれ独自の技術と特徴があります。
以下、それぞれのメーカーの代表的な製品について解説します。
栄四郎株式会社:栄四郎プラウドUU
栄四郎株式会社の栄四郎プラウドUUは、卓越した成型技術と高温焼成により、強度と耐久性を実現しています。表面の特殊コーティングにより紫外線や酸性雨による劣化を防ぎ、長期間にわたり美しい外観を保ちます。
さらに、独自のロック機構が瓦同士をしっかりと結合させ、台風などの強風時にも飛散しにくい構造になっています。また、透水性を抑えることで、雨漏りのリスクを大幅に軽減します。
瓦の重なり部分の水返し機能が充実しており、雨水の侵入を最小限に抑えてくれます。
鶴弥株式会社:鶴弥スーパートライタイプ1
鶴弥株式会社の鶴弥スーパートライ タイプ1は、最新のシミュレーション技術を駆使して開発され、地震や台風などの過酷な条件下でも高い耐久性を発揮します。
鶴弥スーパートライタイプ1は、瓦にアームが付いており、瓦同士が強固に結びつくことで、揺れや風圧に対する耐性が向上しています。
さらに、「スーパートライ タイプ1プラス」は2.0寸勾配から対応しており、緩い勾配の屋根にも使用できます。
新東株式会社:極
新東株式会社の極みは「屋根全体をひとつの瓦に」をコンセプトとし、瓦同士のジョイント部分が強力な組み合わせ構造となっており、地震や台風時に威力を発揮します。
さらに、防水性能に優れており、高い水返しと二重の水返しの構造は外からの雨水の侵入を防いでくれます。防水性が優れていることで、低勾配にも対応しており、2.5寸勾配から工事が可能です。
ケイミュー社 ROOGA(ルーガ)
ケイミュー社のROOGA(ルーガ)シリーズは、割れにくく、軽いのが特徴の防災瓦です。
重さは陶器瓦の約44%程度で、ハンマーで叩いても割れないくらいの強度を持っています。
通常の粘土を素材とした陶器瓦と違い、ROOGA(ルーガ)は、樹脂混入繊維補強軽量セメントという素材が使われています。セメントに樹脂を混ぜることで、耐久性の高い、割れにくい軽量瓦の製造に成功し、ハイブリッド瓦とも呼ばれています。
台風や地震時に屋根に落下物があっても簡単には割れないので、瓦の割れによる雨漏りリスクを防ぐことができます。地震や台風などの過酷な条件下で高い耐久性を発揮できるのが、ROOGAです。
ROOGA(ルーガ)については、以下でも紹介しています。
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まとめ:防災瓦は台風・地震の自然災害にも強い瓦です!
今回は台風や地震に強い防災瓦について解説してきました。近年は、ゲリラ豪雨による大雨や地震、そして大型台風などの自然災害に不安を感じている方も多いかと思います。
防災瓦は耐震性、耐風性、防水性などの防災機能が優れているので、災害対策をしたい方にはおすすめの瓦です。災害が来る前に準備をして、未然に自然災害から家を守りましょう。