瓦と聞くと、雨漏りから建物を守る部材というイメージがあると思います。しかし、瓦選びは雨漏りを防ぐだけでなく、耐震や台風時の建物の損害にも大きく影響を与える重要な部材です。
そこで本記事では、瓦の中でも人気のある「平板瓦(F型)」について紹介していきます。新築や屋根リフォームで瓦選びを検討している方は、ぜひご覧ください。
▼記事を読めばこのようなことが分かります
・平板瓦とはどういう瓦か?
・平板瓦がよく選ばれている理由
・平板瓦の種類(F型・U型・M型)
目次
1.平板瓦とは?
平板瓦は、波のないストレートタイプの瓦です。そのフラットな見た目から、F型とも呼ばれています。平板瓦は、波のある瓦と違って洋風な質感が特徴で、近年の住宅建築の際に多く使用されるようになってきました。
1-1.平板瓦とフランス瓦との違い
出典元:ArChi Expo フランス瓦
平板瓦とフランス瓦は、製造元が根本的に違います。フランス瓦は、名前の通りフランスで製造された瓦です。日本でフランス瓦を使用するには、フランス瓦を取り扱っている業者を選ぶか、フランスから瓦を輸入するかになります。
日本でフランス型の瓦を最初に作ったのは、明治初期です。当時フランス人の「アルフレッド・ジェラール」に製造を依頼したことから、フランス瓦は別名ジェラール瓦とも呼ばれています。平板瓦は、フランス瓦を元に日本で製造された瓦のことを指します。
明治初期にフランス瓦の製造が始まってから、国内ではフランス瓦を真似した瓦が多く出回りました。しかし、アルフレッド・ジェラールは、自分のブランド以外のフランス瓦は偽物だと広告を出します。それ以降、両者は違う瓦として区別されるようになりました。
2.平板瓦のメリット・デメリット
平板瓦のメリットとデメリットを合わせて紹介していきます。
2-1.メリット
平板瓦のメリットは、以下の通りです。
・ソーラーパネルを設置しやすい
・防災性を重視した製品が多い
・建物を問わず合わせやすい
平板瓦には、ソーラーパネルを設置しやすいという特徴があります。F型の平板瓦は、表面に凹凸が無い平らなデザインです。そのため、ソーラーパネルを設置する際に瓦との設置面積が増え、安定感が増します。太陽光を設置する際は、既存の屋根の状態をよく確認してから設置しましょう。老朽化が進んでいるのであれば、平板瓦への葺き替えをお勧めします。
また、平板瓦には、防災性を重視した製品が多いのも魅力です。その中でもオーバーラップロック方式と呼ばれているタイプの瓦は注目度も高いです。オーバーラップロック方式は、瓦にカギ部分と穴部分を作ることで瓦同士をロックする設置方法を言います。瓦同士で固定し合うことで、瓦がズレにくく地震や台風に強い特徴があります。
そして平板瓦は、どんな住宅でも合わせやすいことで人気です。シンプルなデザインで瓦自体の主張が少ないので、和風洋風問わずにどんな住宅に使用しても違和感がありません。
2-2.デメリット
・直射日光の影響を多少受けやすい
平板瓦のデメリットに感じられる点ですが、平板瓦の中でもF型は表面がフラットなために和型の瓦と比べると直射日光の影響を受けます。表面に熱が集まりやすく、建物内の温度が上昇しやすいです。また、瓦と下板の隙間も少ないので通気性も劣ります。
但し、あくまでも和型の瓦と比べてということなので、他の屋根材と比べると平板瓦は十分な性能です。気になる方は換気棟を追加して通気性をよくすると良いでしょう。
3.平板瓦がよく選ばれる理由
平板瓦がよく選ばれている理由は、以下の2点です。
・デザイン・綺麗な見た目
・軽さ
屋根材を選ぶ際にどちらも重要なポイントなので、その理由を紹介していきます。
3-1.デザイン・綺麗な見た目
平板瓦は屋根に取り付けられた状態で見ると、普通の瓦と違ってすぐに瓦だとは分かりづらいです。M型でなければ曲線がほぼ無いので、スレートのようにフラットで和洋どちらのタイプの家にもあう、汎用性の高いデザインをしています。
無駄のないシンプルな見た目は、規則正しく綺麗に屋根の上に並ぶとオシャレに見えます。
3-2.軽さ
もう一つの魅力が軽さです。極端に軽い訳ではないですが、瓦のなかでサイズの割には比較的軽い方で一坪あたりで比較すると以下のようになります。
・日本瓦(土葺き):約240㎏
・日本瓦(瓦桟葺き):約160㎏
・平板瓦:約144㎏
※1坪ごとの重さとなります。
日本瓦の重さは1枚約3.0㎏で平板瓦の重さは1枚3.6㎏なのですが、サイズの影響で平板瓦の方が使う枚数が10枚程少ないため、結果的に屋根の上に乗った時の重さは軽くなるのです。1坪の差は微々たるものですが、30坪〜50坪の家で考えると大きな差になります。
4.平板瓦の種類
平板瓦は通常F型と呼ばれることが多いのですが、細かく分けると以下の3種類に分類されます。
・U型
・F型
・M型
それぞれ形状や特徴が異なるので解説していきます。
4-1.U型
U型は、平板瓦の中で基本と言われている形状です。瓦の両端に立ち上がりがあり、水の通り道が作れるという特徴があります。両端を立ち上げることで瓦に水が溜まりにくく、大雨が続いても安心です。
4-2.F型
F型は、瓦の両端に立ち上がりのない完全フラットな瓦です。現代的な住宅や洋風の住宅と特に相性が良く、建物にモダンな雰囲気を与えてくれます。
4-3.M型
出典元:栄四郎瓦 プラウドBB
M型は、大きな山が2つ付いたデザインの瓦です。山と谷の高低差が付いているので、大雨が降っても水の通り道ができて溜まる心配がありません。
5.まとめ
今回は平板瓦の種類について紹介させて頂きました。平板瓦は災害に強く、太陽光設置、デザインに柔軟、費用など多方面で万能な瓦です。また、最近の新築は洋風住宅が多いことから、平板瓦が多く使われています。
屋根リフォームの際も「できるだけ、シンプルに防災に強く」というご要望を受けることも少なくありません。耐久性は他の瓦と変わらず50年以上となりますので安心です。多くの魅力が詰まった平板瓦。是非参考にしてみてください。
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