セメント瓦の再塗装のメリットとデメリット

家のセメント瓦屋根の色が剥げてきたから塗装をしたい!塗装について詳しく教えて欲しい。
今回は、こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
・セメント瓦の塗装する目的とは
・セメント瓦の塗装のメリット・デメリット
・セメント瓦の塗装費用
\ ドローン屋根点検・見積もり無料 /
セメント瓦は定期的に塗装をする必要があります。
この記事を読めば、セメント瓦の塗装を塗装する必要性が分かります。
さらに、塗装する際の注意すべきポイントも解説しています。
セメント瓦の塗装について詳しく知りたい方は、是非参考にしてみてください。
セメント瓦を塗装する目的とは


セメント瓦を塗装する目的は、セメント瓦をできるだけ長く使えるようにするためです。
セメント瓦は表面の塗料が約10年で剥がれてしまうので、約10年ごとに塗装が必要です。
約10年ごとにしっかり塗装することで、見た目・耐久性・防水機能を維持します。
メンテナンスをすることで、セメント瓦の寿命と言われる約30年程度使用できるようになります。
セメント瓦の塗装方法
セメント瓦の塗装は以下の順番で作業を行います。
一般的には下塗り・中塗り・上塗りの3回で塗装します。
セメント瓦の塗装手順
- 足場設置
- 高圧洗浄
- 下地補修
- 養生
- 下塗り
- タスペーサー(縁切り)
- 中塗り
- 上塗り
- 確認・手直し
足場設置
高所作業のため、足場を設置し、安全を確保します。
さらに、飛散防止ネットを設置し、高圧洗浄や塗装する際に近隣住宅に飛散しないようにします。
高圧洗浄


15~20MPa程度の洗浄圧力を用い、表面の塗装とカビやコケなどの汚れを落とします。
表面をしっかりと綺麗にしないと、再塗装した際に塗膜剥離が起きてしまいますので、丁寧な仕事が求められます。
下地補修
高圧洗浄で取れなかった汚れをワイヤブラシで取り除きます。
小さなヒビはコーキング処理、大きい場合は差し替えを行い、下地を補修します。
養生
壁や窓に塗料が飛んで汚れないように、ビニールで養生します。
下塗り
まずは、セメント瓦の表面に下地調整材を塗ります。
下塗りをすることで、塗料の密着性を高め、色のムラが出ないようにします。
また、細かい傷やヒビなどを補修する役割を果たしています。
タスペーサー(縁切り)
屋根材が重なっている隙間が塗料で埋まってしまわないように、タスペーサーをします。
タスペーサーをしないまま塗装をすると、隙間が塗料で埋まってしまい、雨水の逃げ道がなくなり、雨漏りが発生しやすくなります。
このケースの雨漏りはよくあるので注意が必要です。
中塗り・上塗り
シリコンやフッ素などの塗料を使って、中塗り・上塗りを行います。
塗料の種類によって耐久性が違うので、よく検討して塗料選びをしましょう。
確認・手直し
塗装の仕上がりを確認し、必要あれば手直しを行います。
足場の解体・撤去
確認が完了したら、足場を解体・撤去し屋根塗装完了となります。
セメント瓦の塗装のメリットとデメリット
セメント瓦の塗装のメリットとデメリットをまとめました。
セメント瓦塗装のメリット
セメント瓦塗装には3つのメリットがあります。
<セメント瓦塗装のメリット>
メリット①:見た目が良くなる
メリット②:耐久性が上がる
メリット③:防水性が上がる
メリット①:見た目が綺麗になる
セメント瓦は経年劣化すると、表前の塗料が剥がれ、セメント部分が露出してきます。
再塗装をすることで、見た目が元に戻り、綺麗になります。
メリット②:耐久性が上がる
再塗装をすることで、表面の耐久性を維持します。
耐久性を維持することで、セメント瓦の寿命まで使用できます。
メリット③:防水性が上がる
セメント瓦が劣化が進むと、水を吸収しやすくなります。
再塗装をすることで、セメント瓦の表面の強度を高め、水が吸収しないようにします。
セメント瓦塗装のデメリット


セメント瓦塗装には3つのデメリットがあります。
デメリット①:10年毎に再塗装が必要
デメリット②:失敗すると雨漏りの可能性がある
デメリット③:劣化が酷い瓦に塗装しても効果がない
デメリット①:10年毎に再塗装が必要
セメント瓦の一つ目のデメリットは、10年毎に再塗装が必要なことです。
約30年維持するには少なくとも2回の再塗装が必要になることになります。
毎回、工事手間と塗装費用がかかってしまいます。
デメリット②:失敗すると雨漏りの可能性がある
屋根の知識がない塗装業者が依頼すると、下地補修をあまりせず、塗装の際にタスペーサー(縁切り)もしない可能性があります。
そうなると、しばらくして至る箇所から雨漏りしてしまう可能性があります。
業者を選ぶ際は、きちんとした塗装専門業者に依頼することをオススメします。
価格だけで選ぶのはリスクがあるので、ご注意ください。
デメリット③:劣化が酷い瓦に塗装しても効果がない
約30年以上が経過し、セメント瓦の劣化が進んでいる場合は塗装をしても効果がありません。
見た目は綺麗になっても数年後にヒビや割れが広がってきます。
劣化が酷くなると防水効果も期待できません。
セメント瓦を再塗装する際は、今の屋根の状態を把握してから、塗装の判断をしましょう。
塗装効果が見込めない場合は、屋根の葺き替えをオススメします。
屋根の葺き替えで陶器瓦に交換した場合は、再塗装の必要がなくなります。
定期的な手間と塗装費用がなくなると楽ですよね。
屋根の葺き替えの工事費用は高いですが、長期的なトータルコストで考えるとそこまで高くなかったりします。
セメント瓦の塗装費用の目安
セメント瓦の塗装費用の目安となります。使用する塗料によって料金が変わります。
料金表はあくまでも目安となります。詳しくは、信頼のおける塗装専門業者にお問合せされることをお勧めします。
項目ごとの単価
項目 | 標準版 シリコン塗料 (税込) | グレードアップ版 フッ素塗料 (税込) |
---|---|---|
足場設置 | 825円/㎡ | 825円/㎡ |
高圧洗浄 | 220円/㎡ | 220円/㎡ |
養生 | 330円/㎡ | 330円/㎡ |
縁切り(タスペーサー) | 330円/㎡ | 330円/㎡ |
下地調整 | 440円/㎡ | 440円/㎡ |
下塗り | 770円/㎡ | 770円/㎡ |
中塗り | 1,100円/㎡ | 1,870円/㎡ |
上塗り | 1,100円/㎡ | 1,870円/㎡ |
破風 | 500円/㎡ | 500円/㎡ |
軒天 | 500円/㎡ | 500円/㎡ |
各種諸経費 | 工事費用の5% | 工事費用の5% |
お見積もり例イメージ 「100㎡(30坪)の家」3LDK~4LDKのお部屋
シリコン塗料(標準)使用
項目 | 単価(税込) | 数量 | 金額(税込) |
---|---|---|---|
足場設置 | 825円 | 100㎡ | 82,500円 |
高圧洗浄 | 220円 | 100㎡ | 22,000円 |
養生 | 330円 | 100㎡ | 33,000円 |
縁切り(タスペーサー) | 330円 | 100㎡ | 33,000円 |
下地調整 | 440円 | 100㎡ | 44,000円 |
下塗り | 770円 | 100㎡ | 77,000円 |
中塗り | 1,100円 | 100㎡ | 110,000円 |
上塗り | 1,100円 | 100㎡ | 110,000円 |
諸経費(5%) | 25,575円 |
合計(税込) | 537,075円 |
フッ素塗料(グレードアップ版)使用
項目 | 単価(税込) | 数量 | 金額(税込) |
---|---|---|---|
足場設置 | 825円 | 100㎡ | 82,500円 |
高圧洗浄 | 220円 | 100㎡ | 22,000円 |
養生 | 330円 | 100㎡ | 33,000円 |
縁切り(タスペーサー) | 330円 | 100㎡ | 33,000円 |
下地調整 | 440円 | 100㎡ | 44,000円 |
下塗り | 770円 | 100㎡ | 77,000円 |
中塗り | 1,870円 | 100㎡ | 187,000円 |
上塗り | 1,870円 | 100㎡ | 187,000円 |
諸経費(5%) | 33,275円 |
合計(税込) | 645,750円 |
まとめ:セメント瓦の塗装はメンテナンス次第で長持ちする


今回は、セメント瓦の塗装にについて解説してきました。
セメント瓦は既に生産が中止してから約20年以上が経過しており、寿命に近い屋根も多いのが現状です。
セメント瓦を塗装する際は、今のセメント瓦の経過年数と劣化状況を把握しておくことが重要です。
適切なタイミングで塗装をして、できるだけ屋根を綺麗な状態で長持ちさせましょう。
約30年以上経過している場合は、塗装がいらない陶器瓦への葺き替えをオススメします。
今後の屋根リフォームの参考になれば幸いです。