【DIYで屋根修理】職人が勧める屋根用コーキング剤4種


雨漏りを自分で修理したいけど、コーキング剤はどれを買えばいいんだろう?他に準備するものはある?
ということで、今回は「雨漏りした屋根をDIYで修理するためのコーキング剤」についての解説をしていきます。この記事を読むことで、雨漏りした屋根の修理で必要なコーキング剤の種類や、実際に修理をする手順を理解することができます。
雨漏りした屋根をDIYで修理するときに一番大切なポイントは、「雨漏り箇所を正確に見極めること」です。他にも色々コツが必要なので、雨漏りの被害が広がる前にさっそく、やっていきましょう。
本記事の内容
・コーキング種類と役割
・コーキング補修をする前に揃える道具
・DIYで雨漏りを一時的に止める方法
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1. 雨漏りした屋根をDIYで修理するために必要な道具7選
雨漏りした屋根をDIYで修理修理するために必要な道具を見ていきましょう。
<必要な道具7選>
①:コーキング剤
②:コーキングガン
③:カッター
④:ヘラ
⑤:マスキングテープ
⑥:ハケ ※必須ではないです。
基本的に上記6点の道具があれば応急処置としては十分です。これらの道具は、ホームセンターやネットショッピングでも購入可能で、全部合わせても約1万円以内で買うことができます。では、一つずつ道具の解説をしていきます。
①コーキング剤


出典元:PayPyaモール
屋根の修理には欠かせないアイテムです。雨漏りの主な原因となる屋根のひびや割れ、穴を埋めるための材料。熱に強いもの、水に弱いもの、耐久性が高いものなど、コーキング剤の種類も様々なので、目的に合わせたコーキング剤を準備することが大切です。
②コーキングガン


コーキング剤を修正箇所に押し出すためのアイテムです。特に種類があるわけではないので、安いもので大丈夫です。
③カッター


雨漏りの屋根を修理をする前に、古くなったコーキングを綺麗に取ってから作業を行いますので、カッターが必要です。家庭用カッターで十分ですが、刃が傷む場合もありますので、別途準備しておくといいでしょう。
④ヘラ


コーキング剤を修理部分に埋め込んだあと、接着面を平らにするときに使用します。ヘラで綺麗に接着面を整えることで、耐久性が上がります。
⑤マスキングテープ


コーキング剤を修理部分に埋め込むときに、コーキング剤が周りに付着するのを防ぎます。
⑥ハケ


コーキング剤を埋め込み、ヘラで接着面を整えれば、仕上げにハケでしっかり隙間に塗り込んでいきます。
2. コーキングの役割
コーキング剤とは、屋根や外壁などのひび割れなどを修理する材料です。ひび割れなどの簡単な作業であれば、DIYで修理することができますが、コーキング剤の役割は場面により異なります。
<コーキング剤を使用する役割>
①:緩衝材としての役割
②:接着剤としての役割
③:雨漏りの応急処置としての役割
このように、コーキング剤を使用する役割は様々です。一つずつ見ていきましょう。
①緩衝材としての役割
一つ目は、緩衝材としての役割です。壁に使用される外壁材(サイディング)は、堅く薄いことが特徴のため、気温変化での収縮膨張、地震の揺れの影響でひび割れを起こすことがあります。そのため、目地と呼ばれる隙間にコーキング剤を使用して、外壁材の負荷を軽減させることができます。コーキング剤には弾力性がありますので、地震で建物が揺れた場合でも、目地が地震の動きに合わせて追従することで、外壁材のひび割れの原因を防ぎます。
②接着剤としての役割
二つ目は、接着剤としての役割です。コーキング剤は、接着剤として建材を固定するときにも使用することができます。屋根修理をするときは、屋根の棟板金が飛ばされないように釘で固定をしますが、釘で固定した部分にコーキング剤を使用することで耐久性を上げます。
③雨漏りの応急処置としての役割
三つ目は、雨漏りの応急処置としての役割です。屋根(瓦)のひび割れが雨漏りの主な原因となりますので、コーキング剤を使用することで、雨漏りを一時的に止めることができます。雨漏りを放置しておくと、建物内部に水分が入り、腐食の原因にもなります。本格的な修理が必要になることもありますので、雨漏りしている場合は、早急に修理が必要です。
3.コーキング剤の種類
コーキング剤の役割を解説したところで、次はコーキング剤の種類と選び方の解説をしていきます。コーキング剤は、素材により特性や効果が異なりますので、使用する目的に合わせて適切なコーキング剤を選びましょう。また、コーキング剤は大きく分けて、「1液型」と「2液型」に分かれています。1液型のコーキング剤は、硬化剤の必要がなく、単体で使用することができます。少量販売もされていますので、DIY向けです。
一方で、2液型のコーキング剤は、2種類のコーキング剤を混ぜて使用しますので、容量が多くなってしまいます。大規模な修理をする場合は、2液型のコーキング剤を使用します。
<コーキング剤の種類>
①:シリコン製のコーキング剤
②:ウレタン製のコーキング剤
③:アクリル製のコーキング剤
④:変性シリコンのコーキング剤
①シリコン製のコーキング剤


出典元:アマゾン
シリコン製のコーキング剤は、耐候性、耐水性、耐熱性が高いことが特徴です。
屋根修理ではこちらのシリコン製のコーキング剤をよく使います。
<メリット>
・耐候性、耐水性、耐熱性が高い
・リーズナブル
・屋根、瓦、浴室、洗面台などの修理に使うことが多い
<デメリット>
・シリコンオイルが出ることが多く、汚れやすい
・上からの塗装が難しい
②ウレタン製のコーキング剤


出典元:Yahooショッピング
ウレタン製のコーキング剤は、耐久性が高いことが特徴です。
<メリット>
・硬化すると弾力性を持つ
・密着性が高い
・外壁のひび割れ、コンクリートのひび割れの修理に使うことが多い
<デメリット>
・耐候性が低い
・紫外線に弱い
・埃が付着しやすい
③アクリル製のコーキング剤


出典元:楽天市場
アクリル製のコーキング剤は、耐水性が高いことが特徴です。
<メリット>
・耐水性が高い
・リーズナブル
・外壁の目地に使用することが多い
<デメリット>
・耐候性が低い
・耐久性が低い
・硬化後に肉やせが起こる場合が多い
④変性シリコンのコーキング剤


出典元:楽天市場
変性シリコンのコーキング剤は、耐候性・塗装性が高いことが特徴です。
<メリット>
・耐候性、塗装性が高い
・硬化後の塗装が可能
・コンクリート、外壁、タイルなどの修理に使用することが多い
<デメリット>
・シリコン製よりも耐久性が低い
・ウレタン製よりも密着性が低い
4.コーキング剤の選び方
コーキング剤の種類を解説しましたが、いかがでしょうか。次に、具体的なコーキング剤の選び方を解説してきます。修理をするときにコーキング剤の選び方を間違えれば、逆効果になってしまうこともあります。
例えば、雨漏りした屋根の修理をする場合でも、金属屋根、日本瓦、スレートなど、屋根の種類も様々なので、事前に確認が必要です。
<コーキング剤の選び方>
①:金属屋根の場合
②:日本瓦の場合
③:スレート屋根の場合
①金属屋根の場合


近年、新築住宅に使われるガルバリウム鋼板の屋根は金属屋根の一つとなります。屋根全体が80℃以上の高温になることも多いため、耐熱性が高いコーキング剤を選びましょう。耐熱性が低いコーキング剤を使用してしまうと、劣化が早く、再度修理が必要になってしまいます。
②日本瓦の場合


日本瓦の場合、通気性の高いコーキング剤を選びましょう。というのも、日本瓦の特徴として、通気性の高い漆喰で接着されていますが、密度の高いコーキング剤を塗ってしまうと湿気が溜まりやすくなります。
また同じ瓦であっても、陶器なのか、セメントなのかで最適なコーキング剤が異なりますので、材質に合わせて選ぶことが大切です。
③スレート屋根の場合


スレート屋根の場合も日本瓦と同様に、通気性の高いコーキング剤が最適です。例えば、変性シリコンのコーキング剤は、耐久性が高く、カビにも強いことが特徴です。
5. 上手くコーキング剤で修理するコツ
コーキング剤の種類と選び方を解説しましたので、次は実際に屋根をコーキングするときのコツを解説していきます。基本的に屋根をコーキングする目的としては、「ひび割れなど雨漏りの修理」、「雨漏りの防止」があります。軽度の雨漏りであれば、DIYでコーキング修理をすることが可能です。
一方で、重度の雨漏りはコーキング修理だけでは不十分ですし、逆に雨漏りを悪化させてしまう場合もありますので、重度の雨漏りをしている場合は、専門業者に一度相談をしましょう。軽度の雨漏りをDIYで上手くコーキングをするコツを解説していきますので、「自宅の屋根の雨漏りを応急処置したい」という人は参考にしてください。
<上手くコーキング剤で修理をするコツ>
①:雨漏りがする原因を特定する
②:コーキング材料を準備する
③:下地処理をする
④:コーキング作業をする
⑤:コーキング作業をするときの注意点
①雨漏りがする原因を特定する
DIYで屋根修理をする場合は、主に「瓦のヒビ」や「銅板の穴あき」など、目視できる部分を修理することが基本です。それ以外の部分の修理を行うには、専門的な知識や手順、方法が必要となりますので、やり方を間違ってしまうと、逆に雨漏りを悪化させる原因に繋がります。(実際よくあります。)
原因が目視できない、よく分からない場合は、一度、屋根工事専門業者に一度点検を依頼されることをおすすめします。
②コーキング材を準備する
上記で先述しましたが、コーキング材料を準備します。ホームセンター、ネットショッピングで全て準備可能です。
<必要な道具7選>
①:コーキング剤
②:コーキングガン
③:カッター
④:ヘラ
⑤:マスキングテープ
⑥:ハケ
③下地処理をする
雨漏り部分の特定が終わり、コーキング材料の準備が終われば、コーキング作業をするための下地処理を行います。下地処理がきちんとできていない状態で、コーキング剤を埋め込んでしまうと、雨漏りが止まらず二度手間になることもあります。
具体的な下地処理としては、古いコーキングをカッターなどで切り取り、溝にはさまっている汚れを綺麗に拭き取ります。汚れが残っていると、コーキング剤が剥がれてしまったり、後々ひび割れの原因にもなりますので、できれば水洗いをして、乾燥させた状態にしておきます。下地処理が終われば、マスキングテープでコーキングをする部分の周囲を養生していきます。コーキング部分以外にコーキング剤が付着するのを防ぎます。
④コーキング作業をする
マスキングテープでの養生が終われば、コーキング作業に移ります。ここでのポイントは、均等に流し込みながら、ヘラで表面をならしていくことです。コーキング剤の流し込みが終われば、コーキング剤が乾く前にマスキングテープを剥がし、乾燥させていきます。
6. コーキング作業をするときの注意点
雨漏りした屋根の修理でコーキング作業をしない方が良い部分がありますので、補足情報として解説していきます。
<コーキング作業をしない方良い部分>
①:屋根の横軸方向へのコーキング
②:通気工法への外壁や下屋根の隙間へのコーキング
③:瓦、屋根の漆喰部分へのコーキング
①屋根の横軸方向へのコーキング


スレート屋根や日本瓦の場合、雨水の排水ルートは横軸方向となります。そのため、横軸方向にコーキング剤を塗ってしまうと、排水ルートを防ぐことになり、屋根に溜まった水が隙間から入り、雨漏りが酷くなります。
②通気工法への外壁や下屋根の隙間へのコーキング
サイディング(外壁)は通気層を設けていますので、サイディング(外壁)部分と屋根の取り合い部にコーキング剤を流し込んでしまうと、密閉状態になり、湿気の逃げ道がなくなるだけではなく、雨水の排出ルートもなくなってしまいます。
ただ、サイディング(外壁)部分と屋根の取り合い部の不良により雨漏りがしている場合もありますので、専門業者により詳しくチェックしてもらうことが無難です。
③瓦、屋根の漆喰部分へのコーキング
瓦、屋根の漆喰部分へのコーキングもできるだけ避けましょう。漆喰部分は、通気性が高く、そこにコーキングをしてしまうと、屋根裏などの湿気の逃げ道を塞いでしまいます。結果的にカビやシロアリの発生を起こしてしまいます。
雨漏り修理と言えば、瓦と瓦の隙間をコーキング剤で埋めることをイメージしますが、コーキング部分を間違えれば、屋根の湿気の逃げ道がなくなってしまいますので、逆効果になってしまうので、注意が必要です。


7. まとめ:DIYでの屋根修理は見極めが大事
DIYで雨漏りした屋根修理の解説記事となりますが、いかかでしょうか。雨漏りした屋根のコーキング作業で一番大切なポイントは、「雨漏りの部分を正確に見極める」ことです。雨漏りの内容に対して、適切なコーキング剤を選び、作業を行いますが、あくまでコーキング剤を使ったDIYの屋根修理は「応急処置」であるということを忘れず、応急処置が終われば、お近くの屋根専門業者にしっかりと相談をしましょう。