ご自宅のスレート屋根に、「アスベストが入っているかもしれない」という不安はありませんか?アスベストが入っていた場合は、健康被害も気になると思います。最近は、ニュースで報道される機会は減りましたが、アスベストが使用されている屋根は、現在も多く存在します。
そこで、本記事ではアスベスト入りのスレート屋根の見分け方や対策について解説します。アスベストに対する疑問や不安が解消されるように、わかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
▼記事を読めばこのようなことがわかります
・アスベストの特徴
・アスベスト入りのスレート屋根の見分け方
・アスベスト入りのスレート屋根の撤去方法と費用
・アスベスト入りのスレート屋根をリフォームする際の業者選び
目次
1.アスベストとは
アスベストは、石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれる鉱物から採取できる天然繊維のことです。アスベストは、耐久性が高く、熱に強いにも関わらず、価格が比較的安いことから屋根材に多く使われてきました。現在、一戸建ての屋根で最も普及しているのは、スレート屋根です。
しかし、2006年以前に建てられた家のスレート屋根の大半に、アスベストが入っています。健康への影響が心配されたため、2006年に製造が全面禁止となりましたが、2020年頃から建築物の解体がピークを迎えるとされています。アスベストは、解体するときに粉塵となり飛散するために注意が必要ですが、屋根材に含まれているというだけで過度に心配する必要はありません。
2.アスベスト入りのスレート屋根の見分け方は?
屋根材に含まれているだけで心配する必要はないと言われても、ご自宅の屋根にアスベストが含まれているのかどうか気になるのではないでしょう。そこで本章は、ご自宅のスレート屋根がアスベスト入りかどうかを見分ける方法を紹介します。
ご自宅の屋根を見分ける方法は、大きく2つあります。「建設された時期」と「屋根にヒビ割れや欠けがあるか」を確認してみましょう。どちらかが当てはまったからといって、屋根がアスベスト入りだと決まった訳ではありません。まずはご自分で確認してみて、不安を感じた場合は屋根屋さんなどの専門業者に相談してみましょう。では、2つの見分け方を詳しく解説していきます。
2-1.建設された時期
アスベスト入りの製品は、2006年に全面的に製造が中止されています。そのため、2006年以前に作られた屋根はアスベスト入りの屋根である可能性があります。しかし、多くのメーカーが1990年代からアスベストの入っていない屋根を製造しています。
つまり、2006年以前に作られた屋根であっても、必ずアスベストが入っているという訳ではありません。不安に感じている人は、建設された時期だけでなく、次の章で解説する「屋根にヒビや欠けがあるのか」もチェックしてみると良いでしょう。
2-2.ヒビ割れや欠け
アスベスト入りのスレート屋根かどうかを見分けるには、屋根にヒビ割れや欠けがあるのかを確認しましょう。アスベストは、過去に屋根材として多く使われていただけあって、頑丈で耐久性が高い建材です。アスベストが使用されていない昔のスレート屋根は、約10年で小さなヒビなどが見られ、約20年でヒビ割れや欠けが見られます。
一方、アスベスト入りの屋根は、約20年経過していてもヒビ割れや欠けが見られないことが多いです。2階の窓などから屋根を確認できる場合は、一度屋根の状態を確認してみましょう。屋根の状態の確認が難しい場合は、無理をせず専門の業者に屋根を見てもらうようにしましょう。屋根の上に登ることは、大変危険ですので登るときは注意するようにしてください。
3.アスベスト入りのスレート屋根は普段の生活に問題なし
もしご自宅のスレート屋根にアスベストが入っているとわかったとしても、普段の生活には問題はありません。アスベストが人体に影響を及ぼす可能性があるのは、解体したときに粉塵となり飛散したときです。
アスベストは人体の影響度に応じて危険度が設定されています。アスベスト入りのスレート屋根は、最低レベルの3に設定されています。スレート屋根のアスベストは、セメントに混ぜ込まれ固定されてるため、飛散しにくいのです。破砕したり、極端に劣化しない限りは飛散しないため、普段の生活をする上での心配は入りません。
4.アスベスト入りのスレート屋根の撤去方法と費用
アスベストを含むスレート屋根を撤去する際は、撤去法が通常とは多少異なり、慎重に行う必要があります。また、処分場で埋め立てする処分費用が別途必要です。そのため、アスベストの入っていないスレート屋根の撤去と比較して撤去費用が高額になります。例をあげると一般住宅の既存スレート屋根の撤去に約20万円が必要なのに対して、アスベスト入りの場合は、約50万円と倍以上の費用になる場合があります。
5.アスベスト入りの屋根をリフォームする際の業者選び
アスベスト入りの屋根をリフォームする際の業者は、点検結果の丁寧な説明があり、ご自宅の状況を考慮して最適なリフォームを提案してくれる業者が良いでしょう。不安をあおって、葺き替え工事ばかり勧めてくる業者と契約するのはやめておきましょう。業者を選ぶときは、塗装やカバー工法、葺き替えと幅広く屋根リフォームを行った実績のある業者がオススメです。
また、「住宅密集エリアに住んでいて周囲も心配だし、撤去費用も高くて心配。なるべくなら撤去せずにリフォームしたい。」という場合は、既存屋根材の上に新しい屋根材を覆いかぶせるカバー工法という施工法があります。アスベストの撤去とは話が逸れますが、状況に合わせた屋根リフォームの方法の一つです。
▼屋根リフォームの方法や種類について。
屋根リフォーム時期は?【コロニアル(スレート)】
▼撤去をせずにそのままリフォーム。カバー工法とは。
屋根工事のカバー工法(重ね葺き)について解説します。
6.まとめ:アスベスト入りというだけで不安になる必要はない
今回は、アスベスト入りのスレート屋根の見分け方や対策について解説しました。アスベストは、健康に悪影響というイメージが強いため、アスベスト入りの屋根というだけで、強く不安を感じる方も多いと思います。しかし、アスベスト入りというだけで、不安になる必要はありません。健康被害が心配なのは、解体によってアスベストが粉塵となり大量に飛散するときです。
アスベスト入りの屋根はリフォーム費用はやや高くなりますが、実績と信頼のある専門業者に依頼すれば、ご自宅の状況にあった提案をしてくれます。安心してアスベスト入り屋根リフォームを依頼することが可能です。コストや周囲が気になる方はカバー工法を選ぶこともできます。不安をあおってくる業者は多く存在するため、言われるがままに高額リフォームの契約をしないように気をつけましょう。
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