【コーキング失敗】瓦の雨漏り修理を自分でする際に注意すること
お客様
家は古い瓦屋根。台風・地震が心配で瓦をコーキングで補強したら雨漏りが…どうしたらいい?解決方法を知りたい。
今回は、こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- コーキングとは
- コーキングのメリット・デメリット
- コーキングで雨漏りする理由
- コーキングを使った瓦の正しい補強方法
- コーキングを失敗した場合の対処法
瓦のコーキング補修は、DIYでもできる簡単な補修方法です。
ただし、やり方を間違えると逆に雨漏りしてしまう可能性があります。
「屋根工事業者を呼ぶと費用が高い」
「とにかくすぐに雨漏りを止めたい」
「屋根工事業者が忙しくて来てくれない」
などの理由で、ご自身で屋根修理をしたことがありませんか。また、屋根専門業者以外に応急処置をお願いしたことはありませんか。
本記事では正しいコーキングの使い方について解説しています。この記事を読めば、ちょっとした瓦の修理や台風・地震に向けた瓦の補強方法が分かります。
さらに、コーキングを失敗してしまった場合の対処法も解説しています。 瓦のコーキング補修について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
コーキングとは?
コーキングは屋根や壁の隙間や継ぎ目などに塗るシーリング材のことです。コーキングにはシリコン、ウレタン、アクリルなどがあり、素材に合わせたコーキングを選んで使用します。
今回は瓦屋根の補修ですので、シリコンコーキングを使用します。他のコーキングについては以下のページで詳しく紹介しています。
>> 【DIYで屋根修理】職人が勧める屋根用コーキング剤4種
瓦をコーキングで補修するメリット
瓦をコーキングで補修すると、以下3つのメリットがあります。
- メリット1:台風による瓦のズレ・飛来を防ぐ
- メリット2:地震による瓦のズレ・落下を防ぐ
- メリット3:雨漏りの応急処置ができる
メリット1:台風による瓦のズレ・飛来を防ぐ
台風時には風速20m〜30mで瓦がズレたり、剥がれたりします。
風速40mを超えると、瓦が飛散する恐れがあります。瓦が飛散すると、近所の住宅や車、人的被害が出る危険性があります。コーキングで瓦を補強をしておくことで、ズレや飛来を最小限に抑えるメリットがあります。
メリット2:地震による瓦のズレ・落下を防ぐ
地震時には震度3〜4で瓦がズレたりします。震度5を越えると瓦が落下する恐れがあります。
危険なだけではなく、震災時は業者がすぐ動けないので、屋根に瓦がないと雨漏りが始まってしまいます。コーキング補強をしておくことで、瓦のズレや落下を最小限に抑えるメリットがあります。
雨漏りの応急処置ができる
瓦の割れやヒビから雨水が入っていた場合、コーキングを塗って接着することで雨漏りを止めることができます。
早めに補修することで、瓦の下にある下地(野地板)のルーフィング(防水シート)の破れを防げます。
瓦を自分でコーキング補修するデメリット
瓦を自分でコーキング補修する場合、以下のデメリットが考えられます。
- デメリット1:屋根から落下する恐れがある
- デメリット2:雨漏りが酷くなったり、新たな雨漏りが発生する
屋根から落下する恐れがある
慣れない人が屋根に登ると、滑って落下する危険があります。自分で修理をする際は、十分に安全を確保してから作業を行うようにしてください。
雨漏りが酷くなったり、新たな雨漏りが発生する
瓦屋根は間違った箇所にコーキングを塗ってしまうと、雨漏りが酷くなったり、新たに違う箇所から雨漏りが起きたりするリスクがあります。
雨漏りを止めるつもりが、酷くなって全面葺き替えになってしまうケースもあるので注意が必要です。
次では、実際にコーキングを使った雨漏り修理の失敗例を紹介します。よくあるケースなので覚えておきましょう。
コーキングによる雨漏り修理の失敗例
今回のケースは台風や地震対策として、瓦がズレないようにコーキングで補強したら雨漏りしたそうです。
まず、なぜ瓦がズレないように補強するかと言うと、ひと昔前の瓦は釘で固定されていることが少なく、台風や地震で瓦がズレやすく、大型の台風や地震が来ると瓦が落下する恐れがあります。(現在の瓦はビスや釘で固定されています。)
というわけで、瓦同士をコーキングでガッチリ補強。
すると…
「瓦は飛ばなくはなったけど、しばらくしたら雨漏りで天井にシミが…。」
何故だか分かりますか?
答えは、コーキングをする箇所を間違っているからなんです。
コーキングで雨漏りする理由は?
コーキングで雨漏りする理由は、排水箇所をコーキングで埋めてしまったからです。瓦の構造は、瓦と瓦が重なり合う縦の隙間から勾配に沿って、雨水が排水されます。
この部分が埋まってしまうと隙間がないため、大雨時には雨水が瓦の下に溜まってしまいます。
隙間を塞いでしまうと換気も悪くなり、瓦の下に入った雨水も乾きません。放置を続けると、ルーフィング(防水シート)が破れ、防水機能が低下します。
さらに、桟木(瓦の下にある瓦を引っ掛ける木)や下地(野地板)が腐ってしまいます。最終的には家を支える他の木材にも伝わるので注意が必要です。
「瓦」本来の役割とは?
瓦本来の役割は台風や大雨などで、たとえ横から雨水が入っても、下側から流れ落ちる構造です。
本来なら雨水が侵入してもしっかり排水できます。
「とにかく隙間を埋めれば、雨漏りしない。」
「瓦をしっかり接着すれば飛ばない。」
など、間違った知識で修理をしてしまうと、雨漏りが発生してしまいます。
特に間違ったコーキング処理による雨漏りが「一番やってはいけない屋根修理」で「一番よくやってしまう屋根修理」なんです。
最悪のケースは「瓦の葺き直し工事+下地(野地板)の張り替え」となる場合もあり、修理費用も高額です。
本来なら必要のない工事だったかもしれません。何も知らないで修理をすると、余計にコストがかかってしまう恐れがあります。
ご自身で雨漏り修理をする際は十分に注意してください。よく分からない方は、事前にインターネットやYoutubeでしっかり調べてから作業を行うことをオススメします。
次はコーキング補修で使う道具と実際のコーキングのやり方について解説します。
瓦のコーキング補強に必要な道具
今回、瓦のコーキング補強で使用した道具です。 近くのホームセンターで購入できます。
道具名 | 価格 |
---|---|
シリコンコーキング | 600円 |
コーキングガン | 500円 |
カッター | 500円 |
カッターの刃(50枚) | 1,000円 |
ヘラ | 500円 |
シリコンコーキング
屋根の修理に必須のアイテム。
雨漏りの主な原因となる屋根のひびや割れ、穴を埋めてくれます。
コーキングガン
コーキング剤を修正箇所に押し出すためのアイテムです。
特に種類があるわけではないので、安いもので大丈夫です。
カッター(L刃)
間違った箇所がコーキングで埋まっている場合は、カッターでカットして隙間を確保します。
コーキングは固いので、大きい「L刃」を選びましょう。
刃は傷みやすいので、予備の刃を準備しておくと良いです。
ヘラ
コーキング剤を修理部分に埋め込んだあと、接着面を平らにするときに使用します。
ヘラで綺麗に接着面を整えることで隙間がなくなり、耐久性が上がります。
【台風・地震対策】瓦をコーキングで補強する方法
準備が整ったら、瓦をシリコンコーキングで瓦同士を接着し補強します。
以下の順番で止めてください。
手順
瓦の左端重なり部分
まず、一箇所目のコーキング。
左端の瓦の重なり部分を止めます。
手順
瓦の左端重なり部分
二箇所目は瓦の左下重なり・山部分をコーキングで止めます。
全部の隙間を埋めないようにしましょう。
手順
シリコンコーキングによる瓦補強が完成
これだけでOKです。要点をまとめると。
コーキングのポイント!
- ピンポイントでコーキング処理(接着)
- 雨水が排水する隙間は残す
これが台風・地震対策に効果的なコーキング補強です。
コーキングを失敗してしまった場合の対処法
既に瓦の隙間をコーキングで塞いでしまった場合は、カッターなどでコーキングをカットし、隙間を確保してください。
隙間を確保し、換気と水の流れを良くすることで、雨漏りが改善されます。
長い期間放置していた場合は、下地(野地板)が傷んだり、腐ったりしている可能性があります。 その場合は、お早めに屋根専門業者に点検してもらいましょう。
まとめ:瓦をコーキングで補強する場合は下側は塞がないのが鉄則
シリコンコーキングは雨漏りの応急処置や、台風・地震対策として瓦を固定するのにとても役立ちます。
使い方も簡単なので、屋根の勾配がなくしっかりと安全の確保ができれば、DIYでも補修ができます。
ただし、コーキングの使い方を間違うと雨漏りが発生します。
「コーキングで瓦の下側は塞がない。」
これだけしっかり覚えて補修してもらえれば大丈夫です。 屋根に登る際は、十分に気をつけて作業を行ってください。
自分での修理が難しい場合は無理をせず、お近くの屋根工事専門業者に修理を依頼しましょう。
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