屋根には「谷」という部分があるのをご存じでしょうか?この「谷」というのは、雨水が集中して流れる箇所でもあり、サビたり腐敗したり劣化の激しい箇所です。劣化から穴が開いてしまうと雨漏りの原因にもなりますので、早めに修理しましょう。
本記事では屋根の「谷」の基本情報から、万が一穴が開いてしまった時の対処法まで詳しく解説していきます。
▼記事を読めばこのようなことが分かります。
・屋根の谷について詳しくなれる
・屋根の谷が破損した時の対処方法がわかる
目次
1.瓦屋根の谷とは?
まずは「谷」とは何のことなのか、簡単に解説していきます。
1-1.谷板金・谷樋 屋根が寄り合う部分のこと
谷板金や谷樋といった「谷」という文字がつく単語は同じ場所を表していて、屋根の面と面のつなぎ目部分を「谷」といいます。谷という名前から連想できるかもしれませんが、谷は雨水の通り道とも呼ばれる箇所で、非常に重要な役割を持っています。
2面のつなぎ目部分で双方向から水が流れてくるため、屋根の中でも特に水量が集中する箇所です。
1-2.昔は銅板、今はサビに強い素材を採用している
昔は銅板が素材としてよく使われていました。非常に水量の多い箇所なので、銅板が酸化するとできる緑青というサビを利用し、内部の腐食を防いでいました。ですが銅は素材自体が柔らかく、長年水の衝撃を受け続けると穴あきしやすい可能性が見つかった為、現在はサビに強いステンレスやガルバリウム鋼板などを採用しています。
2.屋根の谷に穴が開いた!雨漏りしてなければまだ大丈夫?
屋根の谷に穴が開いてしまっても、「雨漏りしていないからまだ大丈夫。」と油断は禁物です。谷に開いた穴から流れる水は、少しずつ室内への雨漏りへ近づいていきます。
2-1.谷に穴が開いたらその水はどこに流れるのか
「谷」の穴から流れる水は、屋根の下に敷かれた防水シートに進み、屋根の勾配に沿って軒先へと流れます。本来なら谷を通って、雨樋に流れ落ちるのですが、谷の下に入った雨水は軒先に染みこみ、やがて雨漏りの原因となります。
2-2.室内への雨漏りは時間の問題
雨漏りはすぐにしなくても、梅雨の時期や、台風のような大雨が来ると大量の水が軒先へと流れ込み、そこから一気に広がり、雨漏りが発生します。最近はゲリラ豪雨が酷くなっている為、注意が必要です。
3.屋根の谷に穴が開く理由・原因
次に、「谷」に穴があく理由・原因を解説していきます。
主な原因は3つです。
・経年劣化
・ゴミなどの詰まり
・間違った施工
3-1.経年劣化
どんな家でもいつか必ず発生するのが経年劣化です。長年雨水が流れ続ければ板金の劣化が進行し、限界を迎えると穴が開いたり、板金同士のつなぎ目が破損するといった症状に繋がります。
3-2.ゴミなどの詰まり
大量の水が流れると、排水できず行き場を失った雨水が逆流する「オーバーフロー」という症状が発生することがあります。谷に詰まったゴミのせいで排水能力が低下することでも発生します。谷は雨水だけでなく、木の葉やゴミなど様々なものが一緒に流れ込んでくるので異物が詰まりやすい箇所でもあります。
3-3.間違った施工
谷に限らず屋根は一見シンプルに見えますが排水、換気、断熱などそれぞれ考え抜かれた構造をしています。安易に対処してしまうと別の弊害や雨漏りが発生する原因になります。「雨漏りなので隙間さえ埋めれば…。」と考え、コーキング材などで至る箇所の隙間を埋めてしまうと、雨水が排水できなくなり、雨漏りが酷くなるケースをよく見ます。DIYで修理する際はくれぐれも修理方法に気を付けて作業をしてください。
▼コーキング補修をする際に気を付けることはこちらから
DIYで失敗。雨漏り修理を自分でする際に必ず注意すること。
4.屋根の谷に穴が開いた時の対処方
以前コーキング材での補修跡が見えます。
「谷」に穴が空いた場合は、新しい谷に交換することで、修理できます。谷の修理費用は他の修理箇所と比べ、比較的安くできるので、早めにメンテナンスされることをお勧めします。また、応急処置としてコーキング材や防水テープで一時的に雨水の侵入を防ぐことができます。DIYでも可能です。弊社で応急処置を行う場合もこの方法です。
応急処置のやり方はいたってシンプルです。
・空いた穴にコーキング材を塗る
・細かく切った防水テープを貼る
でOKです。但し、修理方法を間違うとかえって雨漏りが酷くなったりすることもあるので注意しましょう。
※自分判断に修理するのはご注意ください。DIYによる修理ミスが多く見られます。
こちらはあくまでも応急処置なので、早めに屋根専門業者に依頼しステンレス、もしくはガルバリウムの谷に交換されることをお勧めします。
5.まとめ
本記事では瓦屋根に使われている「谷・谷樋」について解説してきました。「谷」は大量の雨水を排水するのにとても役立ちますが、穴あきなどのトラブルを放置すると屋根へのダメージが大きいです。雨漏りが酷くなって、最終的に家の柱などを腐食させてしまったら大変です。瓦屋根かつ谷がある屋根で雨漏りした場合は、谷の穴あきを疑ってみてください。
もし既に雨漏りしていたら、部屋内の雨漏りの位置を覚えておいて、外から屋根を見てみましょう。近くに谷が見えてませんか?
谷の修理は瓦工事の中でもやりやすく、比較的安価でできるので、早めのメンテナンスをお勧めします。修理の参考になれば幸いです。
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