屋根には聞き慣れない独特の用語がたくさんあり、具体的な構造を知るのに一苦労です。
新築を建てる時や屋根の修理時など、業者と打ち合わせをする際に専門用語が多くてよく分からないってこともありますよね。
本記事では新築屋根や、葺き替え、リフォームをするときなど知っておくと役に立つ屋根構造の基本と、一般住宅に関係してよく使われるであろう用語をピックアップして解説します。
▼記事を読めばこのようなことが分かります!
・屋根の構造
・屋根関係の用語の意味
・業者との打ち合わせも堂々と臨める
目次
1.代表的な木造住宅屋根の構造を解説
まず屋根の構造の中で特に大事な箇所を解説します。まずは以下の4つをおさえておきましょう。
・垂木
・野地板
・下葺き材(ルーフィング)
・屋根/棟
1-1.垂木
垂木(たるき)とは、屋根の一番高い部位である棟木(むなぎ)と呼ばれる箇所から、家の外壁側へと向かって伸びる木のことです。屋根の面を支える骨組みの部分で、この後紹介する野地板や下葺き材である防水シートを張るための土台となります。
垂木は野地板から屋根材まで屋根の土台となっている重要な部分です。屋根全体を支える垂木が、万が一雨漏りや雪の重みなどで損傷してしまうと、大がかりな工事になってしまいます。
1-2.野地板
野地板(のじいた)とは、垂木の上に張る下板のことです。屋根の下屋根という言い方をするとイメージしやすいでしょうか。野地板も垂木同様に屋根材を支える重要な部分です。防水シートを張るために必要不可欠な野地板は、垂木同様に屋根の生命線の役割を担っています。
単なる板では無く、耐震性や耐風性の部分にも関係してくる大事な部分なので、雨漏りなどで腐食してしまうと大変です。今の新築住宅のほとんどは構造用合板が使われていますが、屋根のリフォームをするような古い建物だと「バラ板」の場合があります。最近は少なくなりましたが、以前は「バラ板」を使うのがほとんどでした。
1-3.下葺き材(ルーフィング)
下葺き材(したぶきざい)はルーフィングシートと呼ばれる部分でとても重要な防水の役目をはたしています。屋根の年数が経ち、修理をするのか葺き替えをするのか判断する時も、この下葺き材の損傷度合いも参考のひとつとなります。
素材にアスファルトを使ったアスファルトルーフィングや、ゴム素材を使って改良した改質ゴムアスファルトルーフィングなど、他にもたくさんの種類があります。
屋根材だけでは台風のような雨風を完全には防ぎきることができません。染みこんでくる雨水を室内に入らないようにするには下葺き材が必要不可欠です。
1-4.屋根・棟
最後は屋根、そして棟(むね)です。屋根はご存じの通りで瓦やスレート、ガルバリウム鋼板など目に見える屋根の部分のことで、棟というのは屋根の天頂部、屋根の面が交差する分水部分の箇所を指します。
屋根には色んな形があり、よく見る三角屋根は2面、寄棟と呼ばれる形だと4面の屋根を組み合わせて作ります。その面同士が交わる部分が棟です。棟の部分は日差しや雨風の影響を強く受けるため、劣化しやすい箇所です。台風の時も棟に被せた板金が風で剥がれてしまうなどの被害がでるので、点検をする時の要チェックポイントです。
2.屋根の説明によく使われる用語集
ここまで屋根の基本的な構造の中で最も大切な部分の解説をしてきました。一般の方なら垂木、野地板、下葺き材、そして屋根や棟という構造を理解しているだけでも十分詳しい人です。
ここからは、より詳しくなっていただけるように、屋根に関係する特殊な用語を解説していきます。
・屋根材関係
・工事・工法関係
・屋根ならではの用語
3つに分類してご紹介していきます。
2-1.屋根材関係
屋根の材料、素材に関係する用語です。
瓦屋根
瓦屋根は大きく分けて、粘土瓦(陶器瓦・いぶし瓦)とセメント瓦があります。形状は日本昔からお馴染みのJ型(日本瓦)から、スタイリッシュなF型(フラット)、洋風のS型(スパニッシュ瓦)まで、デザインや機能性によって様々な種類の瓦があります。
コロニアル
コロニアルはケイミュー社が販売している軽量屋根材です。別名スレートと呼ばれ、見た目は板のような形の屋根材が段々に重なっています。
アスファルトシングル
北米では歴史のある定番の軽量屋根材。シート状で防水性が高く、見た目もお洒落で、近年は新築住宅から屋根リフォームまで広く使われています。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は耐久性の高い金属屋根です。また、軽いので、地震にも強いです。最近流行りのモダン住宅デザインとの相性も抜群で、人気急上昇中の屋根材です。
2-2.工事・工法関係
屋根特有の工事・工法をご紹介します。
カバー工法
カバー工法とは古い屋根材の上から新しい屋根材を被せる工法のことです。メリットは廃材がでないので、その分の費用をおさえられることでき、工期も短くなります。
ガイドライン工法
ガイドライン工法とは1999年に改正された建築基準法によって、全国共通の基準となりました。台風や地震といった天災の衝撃に耐えられるように瓦を取り付ける工法です。瓦一枚一枚を釘やビスで固定するなど阪神淡路大震災級の地震にも耐えうる工法です。
2-3.屋根ならではの用語
ここからは屋根特有の用語です。前述した屋根の構造でご紹介した垂木や棟のような、普段聞き慣れない用語が沢山あると思います。
妻(つま)・切妻(きりづま)
妻というのは棟の直角にあたる壁面のことで、切妻というのはよく見る三角屋根のことで屋根の端をすっぱり切り落としたようなイメージから切妻と呼ばれています。
棟(むね)・寄棟(よせむね)
棟というのは冒頭紹介した棟のことで、寄棟とは一つの棟に寄っていくように4面の屋根を取り付けることから寄棟屋根とも呼ばれています。
破風(はふ)・破風板(はふいた)
破風とは切妻の「妻」の部分。切り落とした面の部分を破風といいます。破風に破風板を取り付けることで、雨、風を防ぎ雨樋のような役割も担っています。
鼻隠し(はなかくし)
鼻隠しとは軒先に取り付ける横板のことで、垂木の先端部を隠すために取り付けるものです。先端部=鼻ということから、この名前がついているようです。
雨仕舞い(あまじまい)
雨仕舞いとは単なる防水とは少し違い、雨水を防水するのはもちろん、更に雨樋や地面まで受け流す機構のこと表します。
軒天(のきてん)
軒天とは軒裏天井とも呼ばれ、住宅の屋根が飛び出している部分の裏側を軒天といいます。軒天は見栄えを良くする化粧板の役割と、雨だれなどが侵入してくるのを防ぐ役割をしています。
瓦棒(かわらぼう)
屋根の傾斜に沿って一定間隔に並べられた細い角材のことです。金属板を敷くために使用します。
3.まとめ
屋根の構造と、屋根に関係する用語をご紹介してきました。
屋根の基本構造を覚えておくことで、業者の説明がより分かりやすくなるかと思います。業者はつい、専門用語を使ってしまうことがありますので、分からない時は遠慮なく聞いてみるのが一番です。また、少し屋根の知識があることで悪徳業者から騙される可能性も低くなります。参考になれば幸いです。
その他、屋根のことでお困りの際は、お近くの信頼のおける屋根工事の専門業者までご相談ください。
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