モニエル瓦って何?特徴や適切なメンテナンス方法を徹底解説!

1970年代~1980年代に人気だったモニエル瓦は、とても機能性の高い屋根材です。和型や洋型など種類が豊富で様々な建物に馴染むため、広く普及しました。モニエル瓦は、しっかりとメンテナンスを行っていれば、長く持つ屋根材です。しかし、広く普及した数十年前に施工した方は、モニエル瓦の劣化症状がそろそろ気になってくる頃ではないでしょうか?

そこで本記事では、モニエル瓦の特徴やメンテナンス方法などについてわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

本記事の内容
・モニエル瓦の基本情報
・モニエル瓦の特徴
・モニエル瓦の劣化症状
・モニエル瓦のメンテナンス方法

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目次

1.モニエル瓦とは

モニエル瓦は、おしゃれなデザインにもかかわらず、災害に強い大変優れた屋根材です。ヨーロッパで広く普及している瓦で、日本国内においても1970年代~1980年代において大変人気でした。

モニエル瓦は、陶器ではなくコンクリートでできた瓦で、日本モニエル株式会社が販売していました。もともとは、商品名だったモニエル瓦は広く普及したため、屋根材名として定着しました。現在は、モニエル瓦は生産されていません。

2.モニエル瓦の特徴

本章では、優れた屋根材であるモニエル瓦の3つの特徴について解説していきます。

・耐熱性が高い
・断熱性が高い
・デザイン性が高い

2-1.耐震性が高い

モニエル瓦は、屋根への負担が少ない耐震性が高い屋根材です。セメントと砂利を混ぜたコンクリート製のモニエル瓦は、日本古来の粘土瓦よりも軽いためです。軽量であるモニエル瓦は、万が一地震が起きても建物への負担が少ないため、破損や倒壊のリスクが少なくなります。

2-2.断熱性が高い

モニエル瓦は、着色スラリーと呼ばれるセメントでできた着色材やアクリル樹脂系の塗料など、特殊な処理がされているため断熱性が高いです。また特殊な処理が施されると、防水性も高くなります。

2-3.デザイン性が高い

また、着色スラリーは色彩が豊かなため、モニエル瓦は、高いデザイン性があります。和型や洋型などのデザインもあって、建物の雰囲気に合わせた色彩とデザインを選ぶことができます。

3.モニエル瓦の劣化症状

モニエル瓦は、メンテナンスをしっかりと行っていれば、30年以上持ちます。メンテナンスをしっかりと行うには、劣化症状について把握しておきましょう。モニエル瓦の主な劣化症状は3つあります。

・色褪せ
・カビ・コケの繁殖
・ヒビ割れ

3-1.色褪せ

色彩豊かなスラリー層は、時間と共に色褪せてくすんできます。日々の雨風や紫外線の影響により、色が抜けてきている状態です。立地の条件や気候によっても違いますが、約10年くらいで見られる劣化症状です。

色褪せは遠くから屋根を見ることでもわかりますので、一度遠くから見て色褪せがあったり、色がぼんやりして見えたりした場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。

3-2.カビ・コケの繁殖

塗装の防水性が切れてくると、カビやコケの胞子が瓦に付着して根付いてしまいます。瓦の表面の黄色や茶色のブツブツは、カビやコケです。黄色や茶色のコケやカビは日が当たって乾燥している仮死状態で、北側の屋根や梅雨の時期は緑色をしている場合もあります。

コケやカビは、内部に根を張るためモニエル瓦を脆く(もろく)してしまうため注意が必要です。

3-3.ヒビ割れ

厚い屋根材であるモニエル瓦も、経年劣化でヒビ割れを起こします。塗装の防水性が切れると、モニエル瓦のセメントは、水を吸ってしまいます。水を吸ったときに膨張し、乾くことで収縮します。この膨張と収縮の繰り返しが、ヒビ割れの原因です。

ヒビ割れは、放っておくと欠けてしまいます。ヒビ割れが見られたときは、塗装の防水性が切れてしばらく時間が経過していると考えましょう。

4.モニエル瓦のメンテナンス方法

本章では、モニエル瓦のメンテナンス方法について解説します。モニエル瓦の主なメンテナンス方法は、「塗装」と「葺き替え」の2つです。最近、人気のカバー工法は、モニエル瓦にはできません。モニエル瓦の形状と厚みが、カバー工法に不向きなためです。

4-1.塗装

モニエル瓦の劣化の状況にもよりますが、目安として10年~15年に一回程度の頻度で塗装を行うと、防水性とキレイな外観を保つことができます。

塗装を行うときは、モニエル瓦のコンクリートを保護しているスラリー層を、しっかり取り除いて塗装する必要があります。スラリー層は、塗装がのりにくいためです。また、スラリー層の上に塗装をしてしまうと、劣化したスラリー層と共に塗装が剥がれてしまう可能性があります。

4-2.葺き替え

モニエル瓦の劣化が進み、塗装で対応できない場合は、屋根材を下地から取り替える葺き替えを選びましょう。近年は、モニエル瓦の葺き替えを行う人が増えています。

1970年代~1980年代において人気だったモニエル瓦は、現在も使われていた場合、40年近く経過しています。モニエル瓦が劣化しているため地震や台風に備えて葺き替えを選ぶ人や、部分修理を行いたいがモニエル瓦が現在は販売していないため、葺き替えを選ぶ人が増えています。

5.塗装か葺き替えのどちらが必要?

では、塗装か葺き替えかはどのように判断すれば良いのでしょうか?そんなときは、現在の状況で判断するようにしましょう。ヒビ割れや欠けなどのひどい劣化症状はなく、雨漏りの心配がない場合は塗装で良いでしょう。塗装は葺き替えと比較して低予算で済みます。

逆にヒビ割れや欠けが多く見られ、雨漏りが心配な場合は葺き替えを検討しましょう。費用は塗装よりも必要となりますが、下地から屋根材を取り替えるため雨漏りや地震への心配がなくなります。塗装するべきか葺き替えするべきか、どうしても迷う場合は専門業者に依頼して屋根の状態を見てもらってから、判断するのも良いでしょう。

6.まとめ:モニエル瓦は適切なメンテナンスが重要です!

今回は、モニエル瓦の特徴や適切なメンテナンス方法について解説しました。モニエル瓦は、現在生産されていませんが、耐震性・断熱性・デザイン性が高い優れた屋根材です。

しかし、モニエル瓦が人気のあった1970年代~1980年代に施工した方は、屋根の劣化が気になってくる頃だと思います。モニエル瓦は、形状と厚みがカバー工法に不向きなため、塗装でのメンテナンスが難しい場合は葺き替えを検討する必要あります。メンテナンスを検討している方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。

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