中国、大連で再脚光?日本伝統の瓦の価値。

城北瓦 中国で、大連で再脚光?日本伝統の瓦の価値

かつて「日本の家」といえば、瓦屋根、畳の間、日本庭園――そんな伝統的な風景が思い浮かびました。
しかし現代の日本では、洋風の住宅が増え、瓦屋根の家は少数派に。都市部ではスレート屋根やガルバリウム鋼板が主流となり、瓦のある風景は徐々に姿を消しつつあります。

そんな中、意外な国で“日本の瓦”が注目を集めています。
その国とは中国。そして舞台は、中国・大連で進行中の大規模都市開発「京都風情街プロジェクト」です。

目次

日本では減少する「瓦屋根」でも伝統は色あせない

京都街並み   

現在の日本では、建築スタイルの変化により、瓦屋根の家が少なくなっています。
特に首都圏では、スレートやガルバリウム鋼板といった軽量でコストパフォーマンスに優れた屋根材が選ばれる傾向にあり、瓦の出番は減少傾向にあります。

一方で、地方には今なお昔ながらの日本家屋が残っており、日本瓦の美しさに触れることができます。
しかし、屋根瓦工事業者としては時代の変化に対応しながらも、伝統を守ることの難しさと葛藤を感じる日々でもあります。

中国・大連で始まった巨大プロジェクト「京都風情街」

京都風情町プロジェクト03引用元:ANNニュースより

日本瓦が再び脚光を浴びたのは、意外にも中国。
中国・大連では、**京都の町並みを丸ごと再現する「京都風情街プロジェクト」**が進行中です。このプロジェクトでは、200棟以上の日本家屋が建てられ、1棟につきおよそ5,000枚、合計100万枚以上の日本製瓦が使用されています。
1棟あたり最大1億5,000万円という高価格帯の別荘でありながら、販売開始直後に完売するなど、注目度の高さがうかがえます。

なぜ京都?文化がつなぐ日中交流のかたち

中国大連にできる京都02

京都は、古くは中国・唐の文化を色濃く受け継いでおり、平安京の都市設計も唐の「長安」をモデルに作られたといわれています。
そのため中国では「唐の文化を知るには京都に行け」と言われるほど親しまれており、「京都を中国で再現する」という発想も自然な流れだったのかもしれません。

プロジェクトの張副総裁は、「日本に行きたいけど行けない人々に、日本文化を中国国内で感じてほしい」と語っています。この取り組みは単なる都市開発ではなく、文化交流の新しい形とも言えるでしょう。

日本文化の“原点回帰”と職人の誇り

このプロジェクトには日本の建築家や瓦職人も関わっており、ある設計士は「京都の建物には唐の文化が息づいている。それを中国にお返しする気持ちで取り組んでいる」と話しています。

実際、瓦はもともと中国から伝来した建材ですが、長い年月をかけて日本独自の美意識と技術が加えられ、今では世界でも評価される存在となりました。

私たち職人にとって、瓦が再び海外で脚光を浴びていることは、大きな誇りであり、やりがいでもあります。

文化の価値を改めて見直すきっかけに

京都風情町プロジェクト02

今回のプロジェクトで印象的なのは、「日本文化の価値を理解してくれているのが、海外の人たちである」ということです。
日本人が忘れかけていた伝統の美しさに、外国の方々が惹かれているのです。

日本の建築は、自然と共存し、四季の移ろいを楽しむ繊細な設計が特徴。
地方には今も日本情緒あふれる家並みが残っており、守るべき景観がたくさんあります。

そしてそれを守るのは、私たち職人の手にかかっています。

未来のために、今できることを

瓦は、ただの屋根材ではなく、文化・歴史・技術の結晶です。

私たちが今すべきことは、「ひとつひとつを丁寧に、美しく仕上げること」。
先代の職人たちが積み上げてきた誇りを、これからの世代に引き継ぎ、守っていくことだと感じています。

まとめ|日本の良さを、世界が評価しています

京都風情町プロジェクト05

時代は変わっても、古き良きものには変わらぬ価値があります
日本の伝統的な瓦は、いま再び世界から注目されています。

それは、「丁寧につくる」「誠実に仕上げる」という日本の職人文化が、世界に通じる証拠です。

私たちはこれからも、そんな文化の担い手としての誇りを胸に、一枚一枚の瓦を大切に仕上げていきます。

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