雨漏りは家の老朽化を早めますので、問題個所を見つけたら早めの対応が必要です。
大事なお住まいを少しでも長く丈夫に保つには屋根の危険信号を早めにチェックし、定期的にメンテナンスをすることで大きなトラブルを防ぐことができます。ここでは屋根を見てあれっ?と思った際にチェックするポイントをいくつか紹介します。
1.漆喰のはがれ
『漆喰』とは屋根の棟を被せている箇所を言います。『漆喰』は通常雨風を凌ぎ、夏の強い日差しから家を守る役割をしています。ただ、この漆喰も経年劣化する為、約15年を越えると少しずつ剥がれていきます。この漆喰の剥がれを放置すると瓦がずれて、雨漏りをしたり、瓦が落下してしまう恐れがあります。一部の漆喰の剥がれで、雨漏りをしていない場合は、比較的小さな工事で済みます。
ただし、悪徳リフォーム業者による漆喰補修には注意が必要です。一部の漆喰の剥がれを見て大きな修理、リフォーム(葺き替え)を提案するケースも少なくありません。漆喰の剥がれに気付いた際はお近くの屋根専門業者に見てもらうのが確実です。
修理は大きく分けて2つの方法となります。
■漆喰(しっくい)の塗りなおし
漆喰(しっくい)がほとんど剥がれ屋根の上にかたまりが落ちている場合。
■棟の葺きなおし
漆喰(しっくい)がほとんど剥がれ、さらに葺き土も屋根に流れ出る場合は、雨水が侵入し、葺き土に穴が開き、最終的に雨漏りが発生します。
2.谷やぶれ
谷板金の劣化により、水が流れている部分が変色し、亀裂や穴が開きます。非常に多い、雨漏りの原因です。
長期に渡って放置を続けると雨漏りにより、屋根の下に敷いてある野地板(天井)が腐食し、家の老朽化に繋がります。谷の破れの補修費用は約10,000円/m~くらいですので、早めのお取替えをお勧めします。
3.瓦の劣化
陶器瓦の寿命は約50年~100年と言われており、非常に長い期間保つことができます。
ただし、ひと昔前に安価で多く使われていたセメント瓦の場合は、寿命は約30年程度で、10~15年ごとに塗り替えのメンテナンスが必要となります。25年以上を過ぎると瓦にコケが生えたり、表面上が砂状になり、瓦の強度かなり弱くなります。家の外見も非常に古く見え、家の見栄えも悪くなります。この場合は新しく瓦の葺き替えを検討されることをお勧めします。
現在は陶器瓦、コロニアル、ガルバリウム、シングルなど耐久性とデザイン性を兼ね揃えたバリエーション豊富な屋根材がありますのでご要望とご予算をお伺いしながら最適な屋根材をご提案いたします。
4.瓦のずれ
瓦は経年劣化と共に、少しずつズレが生じます。目で見てすぐ分かるくらい瓦がズレたり、浮いたりしてると、危険信号です。台風時に瓦が飛来したり、隙間から雨水が侵入する原因となります。瓦のズレは小さく感じるトラブルですが、放置し続けると雨水の侵入で屋根を支える斜めの木材(垂木)や瓦の下に敷いている下地木材(野地板)が腐食し、大がかりな工事になったりする場合があります。
また、1、2枚の瓦のズレなら自分で修理しようと思われる方もいますが、角度が急な(勾配付き)の屋根に登るのは危険です。もしご自分で修理される場合は十分に注意して屋根に登ってください。屋根専門業者に点検を依頼されることをお勧めします。
屋根材の耐用年数とメンテナンス時期の目安
屋根材名 | 耐用年数(目安) | メンテナンスの時期 | メンテナンス内容 |
陶器瓦 | 50年~100年 | 10年~15年 | 定期点検、漆喰の補修 |
セメント瓦 | 30年~40年 | 10年~15年 | 塗装の塗りなおし |
スレート(コロニアル) | 15年~25年 | 10年 | 塗装の塗りなおし、洗浄 |
ガルバリウム(金属屋根) | 20年~30年 | 5年~7年 | 定期点検 |
屋根の種類によって耐久年数、メンテンナスの時期、メンテナンスの方法も異なります。初期費用は安く抑えられても、屋根材によって後でメンテンス費用が発生しますので、屋根材の特徴をインターネットで調べたり、屋根工事店さんによく説明してもらってご検討ください。初期費用は高くなりますが、耐久性とメンテンス性を考えるならメンテナンスフリーの『陶器瓦』が良いでしょう。短期的に考えると他の屋根材の方が費用を抑えられますが、メンテナンスを含めた長期的なトータルコストで考えれば陶器瓦がお勧めです。